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うなるなようるせえな。 | |
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自業自得だろうが。 |
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こんなに膨大な手紙を次から次へと読まなくちゃ行けないだなんて…。 | | |
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仕方ないだろう。道を手紙がふさいでしまってるんだ。読まないとどこにもいけないんだ。
届けられたら時点で読んでたら苦労はしなかっただろうが。
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きっとこれは僕が以前文書にひどいことをした報いだ…。
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なんだよ報いって。 |
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以前僕がチャイナの皇帝だったころに文書を焼きまくったことがあった…
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始皇帝の焚書坑儒かよ。 |
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あのころは楽しかった。何も考えずに文書を次から次へと焼いていた…。
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著作者や歴史研究家が見てたら、お前のほうを火に入れてやりたいと思うだろうな。
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意味わかんねえよ。 |
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だが、青春の代償は重かった。こうして文書からの逆襲を受ける羽目になろうとは… | | |
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儒者の逆襲もあるんじゃないか。 |
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そうだ、彼らの孔子チョップ、朱子キック、陽明トルネイドアタック…それはおそろしいものだ…。奴らがかかってきたら私とてあるいは…。 |
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儒学を何だと思ってるんだ。 | |
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だが、こちらにもアダム・スミスチョップ、ジョン・ロックロック、トマス・リードビームを使う、イギリス経験論学派がある!
東洋のマンダリンの技になど負けるものか!
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わけわからないこと言ってないでさっさと読めよ。 |
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ああ…いやだいやだ…僕はこんなことをするために探偵になったんじゃないんだ… |
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地道な活動こそが探偵の本分だろうが。 |
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ど、どうしたんだ。 |
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手紙の読みすぎで目がおかしくなったんじゃじゃないのか。 |
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あっ。
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うわあっ!動いたっ! |
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気のせいだろう。手紙ばかり読んでるから目がおかしくなったんじゃないのか。
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なんで否定側に回るんだっ! |
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ほら、音までしてるぞ! |
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幻聴だよ。手紙の行間から発せられる、声なき声に耳を傾けすぎたのだろう。 |
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何が声なき声だ。
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うわっ!
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おおっ!ホプキンス君!
こんな文字地獄の中で天使に出会えるとは、まさに夢のようだっ!
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幻覚じゃなかったのか。
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ホームズさん、お手伝いに上がりました!
スコットランドヤード総出で手紙の解析作業を行います!
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ああ助かったっ! |
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いえ、交通課のほうから、邪魔だということで撤去が求められてまして。 |
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あと、交通課のほうから、道路占有に関する罰金の支払いも求められています。200ポンドです。 |
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道路の状態がこのままだと、一日ごとに10ポンド追加されるそうです。
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言っとくが僕は払う気がないぞっ!
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早いなっ!
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やはり人間はこういったプレッシャーがないと、読むことはできないのだろうな。 |
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で、内容は、差出人は!? | |
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おいどうしたっ! | |
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もう一回ちゃんと読めっ! | |
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同じ速度かよっ! | |
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だが、今度は内容は完璧に頭に入った。そして、その内容を分析し、差出人を突き止めることにも成功したのだ。 |
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本当かなあ。 |
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待ってくださいっ! |
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心配するな、ホプキンス君。
事件はこれで解決だよ。
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いえ、あの。
200ポンド払ってください。 |
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それとわざわざやってきたスコットランドヤード職員たちもタダで帰れというと暴動すら起こしかねない勢いです。
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ううううううう。
じゃ、まだ読めてないということで…
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| いたずらに問題を先延ばしするな! |
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