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}【これまでのあらすじ】
ある寒い日、ホームズは昔の事件を語り出した。
大学時代の同級生レジナルド・マスグレーヴに関する事件だ。
ある日、マスグレーヴはロンドンベイカー街にあるホームズの事務所を訪れた。
地方選出議員も務めるマスグレーヴ家の執事とメイドがいなくなったというのだ。
愛妻ホプキンス警部のお出かけのキスをうけたホームズは、西サセックスのハールストンにあるマスグレーヴ家の屋敷に到着し、マスグレーヴ家に伝わる儀式の謎をあっという間に解き、地下室に入るとそこは古のカレーうどん。そこにはなんとカレーうどんがあったのだ。
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なんとといわれても。 | |
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その言葉だけ聞いてもびっくりはしないなあ。 |
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それはそうだろうけどなあ。 |
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だから古のカレーうどん屋にカレーうどんがアルというのは驚くべき事なのだ。
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そうかもしれないけどなあ。 |
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いや、古墳が墳なんだが。 |
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墳って言うのは土を高くもって作った墓って言う意味なんだぞ。
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古墳をなんだと思っていたんだ。 |
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古代生命体「墳」がどろんこ遊びをした後じゃないのか?
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どんだけ大規模などろんこ遊びなんだ。 |
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だからいろんな人形が埋まっているんだと思っていたが。 |
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それは埴輪だよ。 | |
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なんということだ、これまで僕が信じていた古代史が根底から塗り替えられてしまう。
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一体何を信じていたんだ。 |
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すくなくとも18世紀までの人類史の認識を改めないといけない。 |
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いつまで古代なんだよ。 |
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ひょっとするとこの事件の真相にも関わってくるかも知れない…
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えっ? |
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ずるずる、うん、これはすごいよ。いままで味わったことのない味だよ。 |
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うん、スパイスがまったく違うんだ。 |
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この『悪魔の馬の足の骨』と呼ばれる香料がポイントなんだろうな。 |
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悪魔の馬の足の骨。 |
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悪魔の持っている馬の足の骨なのか?
悪魔の馬という馬の足の骨なのか?
悪魔の馬の足というものの骨なのか? |
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うーんよくわからないよ。僕に判るのはこのスパイスがものすごい有毒だって事ぐらいだよ。 |
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うん、加熱すると猛烈な猛毒ガスを出すんだ。
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一度火を通すと問題はないんだけどね。
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ということは、さっきまでこの地下室に充満していた有毒ガスは…。
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たぶんこの悪魔の馬の足の骨からでたものだろうねえ。
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えっ? |
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おそらくこのカレーうどんは、行方不明になった秘書が作ったものだ。 |
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ええっ!?
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い、いったいどうして…。 |
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おそらく君の家の儀式書…。何が書かれているかさっぱり判らなかったのも当然だ…。あれは、当時のギャル語で書かれた「グルメガイドブック」だったのだ。
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ガ、ガイドブック…。
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だから正式な教育を受けたものには、読むことが出来ず…暗号にしか見えなかったのだ。 |
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それに、うちの家の地下にカレーうどん屋があるということが記されていたんだね。
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そうだ。そして、ここにある書物…これはおそらく当時の板前語で書かれたカレーうどんのレシピ… |
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板前語…。
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そして執事はこの昔のカレーの再現に挑んだ…有毒ガス発生の危険をかえりみずにな… |
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でも、ガスが出てきたら逃げ出したんだね。 | |
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ええっ!?
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そ、そうか…
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このカレーの状態から見て…執事がここでカレーを作ったのは
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一週間前…
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このカビの生え具合と、このすっぱさの具合からみて、一週間は立っているね。 |
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何? |
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ということは、さっき僕らは一週間前のカレーうどんを食べたのか? |
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うん、そうだよ。 |
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あれ?どうしたのホームズ。顔色が悪いよ。 |
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| わあっどうしたのっ!? |
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