ふたご1

「よく来てくださいました。さささ、お茶色でも。」

ふたご2 「色はおもてなしになりません。」

ふたご1

「日本に亡命中のペルーのフジモリ元大統領ですが。」

ふたご2 「はい。」

ふたご1

「母国ペルーでラジオ番組を開始したそうです。」

ふたご2 「いいんですかね。ペルーではお尋ね者扱いじゃないんですか。」

ふたご1 「そうなんですが現トレド政権も決して足場が固まっているわけでは
ありません。フジモリ元大統領の支持者もまだ多いわけです。
あわよくば返り咲きも狙っているフジモリ元大統領としては自分の
健在をアピールしなければなりません。」

ふたご2

「なるほどそれでラジオ番組をはじめたのですか。」

ふたご1 「さあ、というわけではじまりました「ラ・オラ・デル・チーノ」。
お相手はもちろん、あなたの夜のお菓子、チーノこと、
アルベルト・フジモリです。
フッ。」

ふたご2 「あ、もうはじまってるんですか。」

ふたご1

「最近のペルーはどうかな?日本は、冷夏だ冷夏だといってる
けど、 コスタ(首都リマ市の近くの海岸地帯)では最高気温は
32度くらいで日本なんかよりよっぽど冷夏だし、山岳地帯では
22度ぐらいまでしか上がらないのさ。まったく、日本って国はどうか
してるよね。フッ。 」

ふたご2 「亡命させてやってる恩を忘れてえらそうに。」

ふたご1

「でも今のペルーは冬。フリホーレス(豆の煮込み料理)が
恋しい季節だね。じゃあ、ここで一曲。元気のいいパランディージャの
ナンバーだね。アリカ・デルガドの最新アルバムから「UN AMOR ME
ESTA MATANDO - ADIOS BLANCA PALOM」。
ごゆっくり、お聞きください――――フッ。」

ふたご2 「さっきから気になってたんですがそのフッっていうのは
なんなんですか。 」

ふたご1 「これはラジオのリスナーをとりこにする低音のセクシーな
吐息じゃないですか。 」

ふたご2 「なりますかね。」

ふたご1

「いかがでしたか―――フッ。いつ聞いても彼女の声には
しびれるね―――フッ。さて、ここでお便り。
リマ市はアルマス広場の大統領官邸にお住まいの
アレハンドロ・トレド・マンリケさんからのお便りです。
ありがとうトレド。――――フッ。
昔は僕もそこに住んでたんだけどね――――フッ。」

ふたご2 「聞いてんのかトレド大統領。」

ふたご1

「『こんばんは、チーノさん。』こんばんは。
『いつも楽しく聞いております。チーノさんに質問があります。
いつペルーに戻ってこられるんですか。』
うーんこれは難しい問題だね、――――フッ。」

ふたご2

「戻ってきたら捕まるからね。」

ふたご1 「そうだね、君がママの言うことをよく聞いて、スポーツに
勉強に一生懸命がんばれば、いつか必ず僕も、
ペルーに戻ってくるよ。――――フッ。 」

ふたご2 「急に子供電話相談室みたいになりましたが。」

ふたご1 「ではトレド君にはステッカーを。
次のお便りは、クスコ市のフローレス・アヤノコウジさんから。
ありがとう、フローレス。フッ。フッ。フッ。フッ。 」

ふたご2 「女子にはセクシー増量ですか。」

ふたご1 「『ペルーの経済状態は一向によくなりません。
どうしたら、よくなるのでしょうか。 』」

ふたご2 「あ、ここで経済に対する政策などを語って、返り咲きへの
布石を打つわけですね。 」

ふたご1

「そうだね、君がママの言うことをよく聞いて、スポーツに
勉強に一生懸命がんばれば、いつか必ずペルーの経済も
好調になるよ。――――フッ。フッ。フッ。フッ。 」

ふたご2 「答えおんなじかいっ!」

ふたご1

「おっと、お別れの時間になってしまいました、フッ。
では最後の一曲は今月のヘビーローテーション、
ケン・タナカの『ひととせ』からのナンバー、『季節の全景』。
お相手は、あなたの夜のお菓子、アルベルト・”チーノ”・フジモリ
でした。夢の大統領選挙でお会いしましょう。 」

ふたご2 「無理ですよ返り咲き。」

ふたご1 「シンガポール国立大学でB型肝炎のワクチンが開発された
そうです。 」

ふたご2

「ほう。」

ふたご1 「しかもこれは熱帯魚の一種のゼブラフィッシュの体内で
作られるというものだったのです。これを利用すれば、
ワクチン入りの刺身も作れるようになるということです。」

ふたご2

「へええ。」

ふたご1

「つまり、ワクチンというのは生き物の体内で作ることができると
いうわけです。」

ふたご2 「そうですね、生物が作る抗体がワクチンですから。」

ふたご1

「世の中には病気がたくさんあるのですから、すべての人々が
体内でワクチンを作るぐらいのことをしたほうがいいんじゃないですか。 」

ふたご2 「すべての人が?」

ふたご1 「たとえば四丁目の田中さんが体内でインフルエンザのワクチンを作り、
五丁目のトム・クルーズさんが体内でツツガムシ病のワクチンを作ると
いったふうにですね、病気ごとに分担するのです。 」

ふたご2

「そうやって行けば世界中の病気のワクチンが網羅できますね。」

ふたご1 「そうなれば人と人のつながりが希薄になったといわれる現代社会の
問題が解決できます。
病気を治すのは他人だ、すべての人は支えあって生きていくのだと
いうことがわかり、他人へのやさしさ、いたわりが生まれ、人類の平等な
共生がまさに実現するのです。 」

ふたご2 「病気になったらそのワクチンを育てている人のところに行って
ワクチンをもらうのですね。」

ふたご1

「しかしですね、生まれてからずっと体内で育ててきたワクチンです。
人に言えない苦労もした。そうしてやっと育ったワクチンなのに、
そのワクチンをくれという人間が現れるのです。
どこの馬の骨かわからん見ず知らずの人間が、当たり前のような
顔をして…。こんな奴にかわいいワクチンを渡すのはしのびないっ!
顔も見たくない!母さん、塩だ塩!塩をまいておけっ! 」

ふたご2 「人間同士の共生の精神はどこに行った。」

ふたご1 「しかしまあ、これだとなかなかワクチンがもらえませんね。
ですからワクチン提供者も患者も納得する方法が
必要となるわけです。 」

ふたご2 「どんな方法があるんですか。」

ふたご1

「それが、「ワクチン提供者・患者統一タイトルマッチ」!!
ワクチン提供者と患者が血を見るまで殴り合えば
ワクチン提供者の気もすみ、患者も提供者の血中のワクチンが
知らず知らずのうちに体内に入るという、みんな丸くおさまると
いう格闘エンターテイメントです! 」

ふたご2 「病人を血を見るまで殴るなっ!!」

9月12日、ワクチン大辞典。

 

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