ふたご1 「さあ、このはさみを持って、いくのです、勇気を出して、
開通記念式典に。 」
ふたご2 「状況がわからない話ですね。」

ふたご1

「名古屋工業大学の佐野明人教授の研究グループが、
触覚コンタクトレンズなるものを開発したそうです。 」

ふたご2 「どんなものなのですか。」

ふたご1

「これを手に装着すると、指先についている小さなブラシ状の
突起のはたらきで、なぞっただけで鋼板などの表面の細かい傷を
感知することができるのです。 」

ふたご2 「それはすばらしいですね。」

ふたご1

「ほんとうにすばらしいです。」

ふたご2

「そうですねえ。」

ふたご1 「こういった発明が世の中から争いを一つなくしていくのです。」

ふたご2 「え、これでなくなるんですか。」

ふたご1

「そう、これであの、『箱の中身はなんだろな?さわってさわって
あてましょうゲーム 』がなくなるのです…。 」

ふたご2 「争いとちがうわっ!」

ふたご1

「タコやカエルやウニが解放される時がやってきたのです…」

ふたご2 「たしかによく使われるけれども。」

ふたご1

「我々はさらなる科学技術の開発をし、
『たたいてかぶってジャンケンポン』廃絶や『古今東西風船爆発
ゲーム 』根絶への道を歩いていかねばならないのです…。」

ふたご2 「歩いている道が完全に間違ってますよ。」

ふたご1

「全農がスギ花粉症の症状を緩和する効果があるとされる
遺伝子組み換えイネの試験栽培を断念したそうです。」

ふたご2 「そんな効果があるんですか。」

ふたご1

「イネの中に、少量のスギ花粉と同じたんぱく質を含ませることによって、
体をスギ花粉に慣らしていって花粉症を改善する効果があるそうなの
です。 」

ふたご2

「すごいじゃないですか。なぜ栽培を中止しなければならないのですか。」

ふたご1

「やっぱり遺伝子組み換え作物というのは評判が悪くてですね、
近所のたんぼに花粉が飛んで、遺伝子組み換え米になってしまうのでは
ないかというおそれが風評被害を呼ぶのではないかということなのです。 」

ふたご2

「ないかないかでたいへんですね。」

ふたご1 「しかしのような遺伝子技術に対する偏見によって、
新たなる技術の進展が停滞するのは大変残念です。 」

ふたご2 「まあそうかもしれませんがね。」

ふたご1

「このように私もイネを育てているというのに。」

ふたご2 「育ててるんですかイネ。」

ふたご1

「実験がスタートすれば、ぜひこのイネを実験場のそばに
もって行こうと思ったのに。 」

ふたご2

「何をする気ですか。 」

ふたご1

「それはもちろん花粉を。」

ふたご2 「何遺伝子組み換えをねらってるんですか。」

ふたご1 「新たなる遺伝子を得たイネは巨大化し、田を抜け出し、
集団で帝都を襲い、自衛隊と大戦闘…」

ふたご2

「あんたが一番遺伝子操作に偏見もっとるじゃないか。」

ふたご1

「しかたがないので原子力発電所に行くことにします。」

ふたご2

「それも古い偏見ですよ。」

ふたご1

「厚生労働省が、2006年をめどとして、危険物、毒物、劇物に
対して国連が定めた表示を義務づけることとなったそうです。」

ふたご2 「どんな表示なんですか。」

ふたご1

「たとえば急性の毒性を持った薬品には『ドクロ』、
引火性の薬品には『炎』、
発ガン性物質には『ひび割れた人間』といった感じです。 」

ふたご2 「それはわかりやすいですね。」

ふたご1 「しかし、昨今毒劇物による被害は増加しています。
これを防ぐためにも、もっともっと危険性をアピールして
いかねばならないのではないですか。 」

ふたご2

「たとえばどんな風にですか。」

ふたご1

「致死性の毒物には『スグシネール』とかいうふうに名前を変える
とかですね。 」

ふたご2

「そんなオレたちひょうきん族でナンデスカマンが飲んで死んだ薬の
名前をつけられても困ります。 」

ふたご1

「製造工場の外観は古びた洋館で、どこからともなく白い煙が
出てですね。 」

ふたご2

「そんな段階からわかりやすくしないといけないのですか。」

ふたご1

「工場の社長も笑うときには『イーヒッヒッヒッヒ』と笑ってですね。」

ふたご2 「わかりやすすぎますね。」

ふたご1

「工場の場所をかぎつけられそうになったら奥歯にしこんだ毒で
自害してですね。 」

ふたご2 「やっぱり偏見に固まってますね。」

5月28日、毒・ハリウッド

 

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