ふたご1 「容疑者は遊ぶ金欲しさに毎日毎日アルバイトをするという
短絡的な労働を。」
ふたご2

「そこは短絡的でいいんじゃないですか。」

ふたご1

「カッコウという鳥は。」

ふたご2 「はあ。」

ふたご1

「ほかの種類の鳥の巣に卵を生み、そのかえったひなが元にいた
卵やひなを追い出して自分だけえさをもらうというほほえましい習性で
知られていますが。」

ふたご2 「ほほえましさのかけらもないですよ。」

ふたご1

「イギリスのケンブリッジ大学の研究で、この時に卵やひなをすべて
追い出さずに、2羽ほど残しておいたほうが当のカッコウも大きく
成長するのだということがわかりました。」

ふたご2

「そういうものですか。」

ふたご1 「たとえ生んだ親が違えども、協調してエサを要求すれば
それだけの見返りがえられるということです。」

ふたご2 「親鳥がえさを運んでくる回数も増えるからなのですね。」

ふたご1

「種類の違う鳥同士でも協力していける…生まれた国や
人種が違っても平和に暮らしていけるという人類への問いかけでは
ないでしょうか。」

ふたご2 「100%違うと思いますよ。2羽以外追い出してるし。」

ふたご1

「これからは平和の象徴もハトなどではなくカッコウにしましょう。」

ふたご2 「そんなところまで追い出しますか。」

ふたご1

「スイスの酪農農家で『ナイトミルク』と呼ばれる新製品が
開発されたそうです。」

ふたご2 「どんな新製品なんですか。」

ふたご1

「このミルクには睡眠誘発物質であるメラトニンが
通常のミルクの5倍もふくまれているということなのです。」

ふたご2 「それはすごいですね。どんなすごい技術でできたんですか。」

ふたご1 「早朝に寝ている牛からしぼりとったのです。」

ふたご2

「なんだか冗談みたいな技術ですね。」

ふたご1

「寝ている牛からは睡眠誘発物質が分泌されやすい。
これはもう至極当然の結果です。」

ふたご2

「まあそういわれればそうかもしれませんが。」

ふたご1 「これからはもっとさまざまなミルクが出ることでしょう。」

ふたご2 「いろんな状態の牛からしぼるんですか。」

ふたご1

「そう、たとえば張り切ってやる気を出したいときには、スペインの
闘牛場でマタドールにつきかからんとするたくましいホルスタインから
搾乳する『バトルミルク』。」

ふたご2 「ホルスタインは闘牛せんでしょうが。」

ふたご1 「社会の歯車感を実感したい時には平安貴族の車を引く
ホルスタインから搾乳した『網代車ミルク』。」
ふたご2

「歯車ではなくて牛車。」

ふたご1

「みんなの垂涎の的となるような魅力を身につけたいときには
今まさに鉄板の上で香ばしいにおいを立てて焼けているホルスタインから
搾乳した『特選上カルビミルク』。」

ふたご2 「焼いてからしぼるな。」

ふたご1 「ドイツのゲッティンゲン大学の研究チームなどが、
にきびの原因となるロピオニバクテリウム・アクネスという細菌の
ゲノム解読に成功したそうです。」

ふたご2

「そんなものまで解読するのですか遺伝子。」

ふたご1

「これで不治の病といわれたにきび治療に大いなる光明が。」

ふたご2

「そこまでは誰も言ってませんが、まあ思春期の人には
よいかもしれませんね。」

ふたご1

「そしてこの技術を応用すれば人造にきびの開発も
可能です。」

ふたご2 「そんなもの人造で作ってどうするんですか。」

ふたご1

「たとえば主役の座を奪われたバレリーナが嫌がらせに
主役の子ににきびを…。」

ふたご2 「ろくなことに使えませんが。」

ふたご1 「そんなことはありません。人造にきびの本来の目的は
世界平和のためにあるのです。」

ふたご2

「世界平和ぁ?」

ふたご1

「たとえば二つの国が争っています。相手の国を激しく憎み、
地上から殲滅せんと憎悪に固まっています。」

ふたご2

「はあ。」

ふたご1 「そんな中で、この人造にきび技術を使って、国のど真ん中に
巨大にきびをつくるのです。」

ふたご2 「国ににきび?」

ふたご1

「そう!思われにきびです!」

ふたご2 「は。」

ふたご1

「あとは『思われにきびができるなんて、誰かあんたの国のことを
好きなんじゃないの?』と冷やかしてやれば、『いがみ合ってばかり
いたあの国だけど、こんなに気になるのはどうして?』と、今まで
気づかなかった 相手の国が好きな気持ちを見つけ出して、
両国の友好が…。」

ふたご2 「そんな友好関係は嫌です。」

8月6日、八百にきび。

 

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