ふたご1

「おお肉よ、そなたを思うと血沸き肉踊る。」

ふたご2

「肉をたたえる歌ですか。」

ふたご1 「韓国では国歌の問題が起きているようです。」

ふたご2

「なんですか。」

ふたご1

「韓国の国歌は法律では制定されていないのですが、安益泰氏が作成した『愛国歌』を事実上の国歌としているのです。しかし、安益泰氏の死後50年となる2015年までは著作権があるのです。その著作権料が十分に保護されていないと、韓国政府が著作権を買い取って管理を強めようとしているのです。」

ふたご2「なるほど新しい国歌にはそういった点があるのですね。」

ふたご1

「スポーツの行事や放送局の放送終了時に流されたりする時の著作権料は支払われていたのですが、それ以外は自由に使われていたりしたのです。」

ふたご2

「なるほど。」

ふたご1

「たとえば携帯の着メロに国歌をつかっていたりとか。」

ふたご2「つかうんですか。」

ふたご1 「これが国家が著作権を取得すれば、労せずして著作権が入るわけです。これをいかさない手はないのではないでしょうか。」

ふたご2「どういうことなんでしょうか。」

ふたご1 「たとえばですね、現在では著作権料が適用されていない分野にこの仕組みを使うのです。そうすれば税金を上げることなく収入が増大し、国も潤うわけです。」

ふたご2 「はあなんでしょう。」
ふたご1「そういえばたくさんありますね、法律。」

ふたご2「はあ。」

ふたご1

「この法律一つ一つにメロディをつけるのです。そうすれば法律を読むたびに国家に対して著作権料が発生し、国が潤うわけです!」

ふたご2

「いやそんなに法律を歌ったりしないと思いますが。」

ふたご1

「わかりませんよ。何が売れるかわからない世の中です。『破綻金融機関等の融資先である中堅事業者に係る信用保険の特例に関する臨時措置法』がヒットチャートの一位を飾ったりすることがないとはかぎりません。」

ふたご2 「それが売れたりするような世の中ではないとわかっていますが。」

ふたご1

「ゆくゆくはこの産業を拡大化して、外貨の獲得にもつなげたいですね。」

ふたご2

「なんですか。」

ふたご1 「アメリカの警官が、犯人を逮捕する時に歌うのですよ。『あなたには黙秘する権利がある〜♪あなたの言ったことは、何であれ、法廷で不利に扱われるおそれがある。〜♪ あなたには弁護士と話し合い、また、尋問中、弁護士を同席させる権利がある。〜♪ もしあなたが弁護士を雇うことができなくても、希望するならば、尋問の前に国選弁護士を任命し、あなたの代理にすることができる〜♪』といった感じで。」

ふたご2

「犯人逮捕するときに歌うなよミランダ警告を。」

ふたご1

「日本学術会議が棚橋科学技術相に対して科学技術政策に関する提言を行なったのですが、米国の半分の資源を費やしながら、四分の一の成果しか生み出していないと指摘したそうです。」

ふたご2「そうなんですか。」

ふたご1

「この資源というのは研究資金と研究者数、成果は論文の出版数、引用回数、特許出願件数などで判定されたそうですが、欧州各国は日本の二割から四割程度の資源で八割の成果を出しているというのですから、効率が悪いことはあきらかだということなのだそうです。」

ふたご2

「何が原因なんでしょうか。」

ふたご1 「まあこれは一概に日本の効率が悪いということだけではなさそうです。」
ふたご2「今明らかだといったじゃないですか。」

ふたご1

「このことは日本の研究者に潜むわび・さびの精神がこうした結果を招いたのだとおもいます。」

ふたご2

「なんですかわびさび。」

ふたご1

「日本の古い伝統の一つに水墨画があります。」

ふたご2

「まあありますが。」

ふたご1

「墨の濃淡だけで自然を表す水墨画。これは禅の高僧達が始めたもので、室町以降大いに広まり、日本人の精神風土に深く根付いたものとなりました。」

ふたご2「はあ。」

ふたご1

「この水墨画というのは中国にもあるのですが、日本と中国の水墨画にはちょっと大きな違いがあります。」

ふたご2「なんですか。」

ふたご1

「それは中国の水墨画には賛とよばれる文章が書かれたり、歴代所有者のはんこが押されたりすることが多く、余白が比較的少ない傾向がありますが、日本のものには大胆な余白が残されていることが多いのです。」

ふたご2

「はあ。」

ふたご1

「この余白の中に、日本人は空、海、雪などの自然を観、それを鑑賞するという美意識をもつようになったのです。」

ふたご2

「はあそれが。」

ふたご1 「ですから、そういった精神風土を持つ日本人研究者の書く論文について、そのへんを見出していただかないと。」

ふたご2 「どういうことなんですか。」

ふたご1

「日本人研究者の各論文の余白を鑑賞し、理解し、そして引用していただきたいと思うわけですよ。」

ふたご2

「引用するなよ余白を。」

ふたご1 「どなたか『寒天の雪原』といったテーマで論文を書いてくれませんか。」
ふたご2

「それこそ真っ白ではないか。」

2月18日、白です黒ですオセロです

 

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