ふたご1
「私たちの、全ての紙幣を豚肉にして、『分割払いですか?』『いえ、トンカツ払いです』という会話を普通にする運動にご協力を!」

ふたご2

「そんな手段も目的も結果も気に入らない運動は初めてです。」

ふたご1
「耐震強度偽装問題ですが。」

ふたご2

「話題になってますね。」

ふたご1

「建築主のヒューザーが、自治体が違法建築物をきちんとチェックしなかったために損害を受けたとして各自治体を訴えているのですが。」

ふたご2
「ありましたねそんな話も。」

ふたご1

「訴えられた横浜市の中田宏市長が、ヒューザーの姿勢を「盗っ人たけだけしい。裁判を起こすこと自体コペルニクス的ばか者だ」と批判したそうです。」

ふたご2

「まあそういいたくなる気持ちはよくわかります。」

ふたご1

「ただですね。」

ふたご2
「はい。」

ふたご1

「『コペルニクス的ばか者』とはどういう意味なんでしょうか。」

ふたご2
「…さあ。」

ふたご1
「コペルニクスといえば天動説中心の世の中で、地動説を唱えた、人類の科学史上にとって重要な人物です。そういう人間を馬鹿の代名詞に使うのははたしてどうかと。」

ふたご2
「そうですねえ。」

ふたご1
「ヒューザーの側でも、地面が動くと潰れてしまうかもしれないマンションを売っていたのですから、コペルニクスの地動説といっしょにされてはたまったものではありません。」

ふたご2
「なにがたまったものではないだ。」

ふたご1

「中田市長としては物事の見方が180度かわってしまうという意味で使われる、コペルニクス的転回という言葉を念頭に置いていたのかもしれませんが、これではちょっと意味が通りません。」

ふたご2

「そうですね。」

ふたご1

「言葉どおりにすれば世間の常識を180度変えるほどの発見、『マンションなんて壊れてもいいんだ。』『地震に対しては無理をしなくてもいいんだ』『そのままでいいんだ、マンションだもの。』ということを見出した人として称えなくてはなりません。」

ふたご2

「マンションに相田みつをイズムを導入されてもなあ。」

ふたご1

「ですから、中田市長もコペルニクスという名前ではなく、もっとみんなが納得するようなばか者の名前を使っていただきたい。」

ふたご2
「しかしばか者の代名詞といわれてもねえ。」

ふたご1

「そうですね、秦の二世皇帝、西晋の恵帝、北条高時などとばか者にはいろいろな種類があるので迷ってしまいますからね。」

ふたご2
「いやそんなばか者中心で歴史を見たことはないですが。」

ふたご1

「政治家になると各方面の調整も重要な仕事です。もし与党が『世界一の愚君は西晋の恵帝だ派』と『北条高時君を世界一の暗君として世界に広める会』で構成されていたとしたら、どちらかに味方したととられる発言は致命的ですからね。」

ふたご2

「もうちょっとましなもので構成されていてください、与党。」

ふたご1
「やはりここは日本の美しい伝統として、自分を卑下する『中田宏的ばか者』とするのが、各方面丸くおさまってよいのではないでしょうか。」

ふたご2
「発言がまったく意味不明に成り果てていますよ。」

ふたご1

「ホンダが学研とタイアップして、学研の学習まんが教材『燃料電池車のひみつ』を全国の小学校や図書館に配布するそうですよ。」

ふたご2

「ひみつをですか。」

ふたご1

「燃料電池車はこれからの自動車産業においてとても重要なものになっていきます。その燃料電池車への興味を子供たちに持ってもらい、未来の技術者や顧客を育てるというホンダの長期的戦略ですね。」

ふたご2

「なるほど。」

ふたご1

「ほかの会社もこういった戦略を組んでいただけるとよいですね。」

ふたご2
「そうですね。」

ふたご1
「『株価操作のひみつ』とか『たてものと毛髪の偽装のひみつ』とか。」

ふたご2
「二番目は自費出版ですか。」

ふたご1

「そして学研もこっそり『ひみつシリーズとのタイアップのひみつ』を置いて、顧客層の獲得を。」

ふたご2

「露骨だなあ。」

 

ふたご1

「そして『庭田小学校三年四組の学級新聞のひみつ』や『庭田小学校二年四組の女子の間だけで回されている交換日記のひみつ』などの出版にこぎつけます。」

ふたご2

「そんなものを広報してどうする。」

ふたご1
「将来庭田小学校に入って、二年生や三年生になって学級新聞や交換日記をしようと夢を見る子供が増えるじゃないですか。」

ふたご2
「小学校の図書室でそれを読む子供たちはすでに小学校に入っているはずですが。」

ふたご1

「そこはそれ『転校のひみつ』や『裏口入学のひみつ』の出番ですよ。」

ふたご2

「そこまでする必要がありますか。」

ふたご1
「人生とはそういう不合理なものにぶつかって行くものではないでしょうか。」

ふたご2

「違うと思いますが。」

 

ふたご1
「この間読んだ『人生のひみつ』にはそう書いてありましたが。」

ふたご2
「重いテーマを漫画でわかりやすくするな。」

2月3日、桂小金治のひみつ


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