「ゴールデンウイークは『弱点をドレスアップ、弱点といえば吉田弱点商会』の登録商標です！」
「まあ逆転の発想の商売といえなくもないですが。」
「液体ですか。」
「日本では粉末タイプが主流でしたが、アメリカでは液体タイプが主流ということもあり、液体型のシェアが広がりつつあるんだそうです。」
「このように洗剤市場が流動化しているということは、新しい洗剤がシェアを広げるチャンスでもあるということですよ。」
「なるほど。」
「私が考えた新しい洗剤も世に出るチャンスです。」
「気体洗剤です。」
「たとえば大規模な施設などのなかに気体洗剤を充満させておけば、そこにくるだけで服が洗濯されて、すがすがしい気分になれるというわけです。」
「いや勝手に洗われてもねえ。」
「みんなこの親切に感謝してくれるはずですよ。」
「そんな親切はいらん親切ですよ。」
「そんな汚い心根も、鼻や口や目から入り込んだ気体洗剤がきれいに洗ってくれるでしょう。」
「目や鼻や口に入った場合は大量の水で洗い流してください。」
「気体をバカにすることは許しませんよ。」
「バカにしているのは気体ではないのですが。」
「このガスを使うとタイヤの内圧が安定し、タイヤ寿命が5パーセントはのびるというのですよ。」
「へええ。」
「気体にはこのような新しい可能性があるということです。」
「まあそれ自体は否定しませんが。」
「気体様の力はこんなものではないですよ。」
「そんなガスまでできますか。」
「養命酒ガスや救心ガスでたちまち健康に。」
「えらい濃いガスですねえ。」
「そういう方にはリポビタンDガスやユンケルガスでも。」
「それはそれでやっぱり濃いですが。」
「こうやってガスにすれば、飲み忘れることもなく、健康が増進されるわけです。」
「でもとりすぎは逆に体によくないですよ。」
「注意しろといわれても。」
