ふたご1

「盗んだバイクでアペリティフ♪」


ふたご2

「窃盗の上に飲酒運転ですか。」


ふたご1

「JR東日本の奥羽線を走る列車に「かもしか」と言うのがあるのですが。」


ふたご2
「はい。」

ふたご1

「そのヘッドマークの絵が、かもしかではなくエゾシカだという指摘が寄せられたそうです。」


ふたご2

「あらら。」


ふたご1

「たしかにカモシカとエゾシカは名前こそはシカがつきますが、別の生き物ですから。」


ふたご2
「まあまずいですねえ。」
ふたご1

「しかし、JR東日本は、今回の指摘を受けても訂正しないことを決めたそうです。」


ふたご2

「なんでまた。」


ふたご1

「イラストはあくまでスピードなどを意識したものなので、変えるつもりはないのだそうです。」


ふたご2
「そういうものなのですか。」
ふたご1

「しかし、そういう細かいところの違いは乗客としては気になるところです。」


ふたご2

「別にいいんじゃないですか。」


ふたご1

「そうでしょうか。」


ふたご2

「そんな細かいところは気にしませんよ。」


ふたご1

「では大阪行きの電車に乗ったのにもかかわらず、ヘッドマークに『サウスダコタ行き』と書かれていても気にならないと?」


ふたご2

「いやそれは気にならざるをえないですが。」


ふたご1

「実質とイメージがかけ離れているということは、さほどかように人を不安にさせるのです。」


ふたご2

「そんなに深いイメージかなあ。」


ふたご1

「同じように特急「ごみむし」に乗っているのに、ヘッドマークが「ゴミムシダマシ」だったらどんなに不快でしょうか。」


ふたご2
「ごみむしという名前の電車に乗らないといけない時点で不快です。」

ふたご1

「特急「山田康雄」に乗っているのに、ヘッドマークが「栗田貫一」ならどんな気持ちでしょうか。」


ふたご2
「いい加減に慣れてください。」

ふたご1

「ですので、JR東日本の方にはぜひ違和感がなくなるような計画を立てていただきたい。」


ふたご2

「なくなりますかねえ。」


ふたご1

「まずヘッドマークをたくさん用意します。」


ふたご2
「同じ絵を増やされてもねえ。」

ふたご1

「いえ、一枚一枚微妙に違います。」


ふたご2

「ちがう?」


ふたご1

「それを横一列にずらっと並べます。」


ふたご2

「はあ。」


ふたご1

「その、カモシカからエゾシカに徐々に進化していく図をみて、カモシカもエゾシカも同じ仲間だ、と納得できるのです。」


ふたご2

「そんな進化体系に納得しないでください」


ふたご1
「さらにエゾシカから電車への進化図を描けばもっと安心!」
ふたご2

「安心の基準がまったくわからん。」


ふたご1

「食品の賞味期限偽装が話題になった一年でしたが。」


ふたご2

「いろいろありましたねえ。」


ふたご1

「東洋インキが書き替え不可能な賞味期限表示の印刷方法を開発したそうです。」


ふたご2

「ずいぶんとタイムリーな発明ですね。」


ふたご1

「包装紙やシールの上に印字するのではなくて、透明なフィルムにくるまれた包装材にレーザーをあて、文字を浮かび上がらせるのです。こうすれば上から書き直すことは出来ません。」

ふたご2
「なるほど。」

ふたご1

「しかしこの方法も、包装ごと取り替えられると無意味です。」


ふたご2

「それはまあしかたないですね。」


ふたご1

「ですから包装を取り替えられない工夫として。」


ふたご2

「そこまで考えましたか。」


ふたご1

「賞味期限が来るまで絶対に開かない、タイムカプセル包装機能を!」


ふたご2
「そんなことで賞味期限内に賞味できるのか。」

12月14日、森川由加里。

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