ふたご1

「能ある鷹は獲物を捕る直前に爪を隠す。」


ふたご2

「獲物に傷をつけると売値が下がりますからね。」


ふたご1

「イギリスでの調査によると、イギリス人が生涯で本のために費やす金額は4000ポンド、90万円を超えるものだそうです。」


ふたご2
「へえ、そんなに。」

ふたご1

「しかしながら55%の人が本は読むために買うのではなく、飾るのが目的だと回答したそうです。」


ふたご2

「あらまあ。」


ふたご1

「この調査を聞いて、イギリス人は見栄っ張りと思うのか正直者と思うのかは評価の分かれるところです。」


ふたご2
「ひねくれ者という評価もできなくもないですね。」
ふたご1

「さらに買ったけど読んでいない本についての調査もあります。これが堅苦しい本だけかと言えばそういうわけではなくて、ハリー・ポッターやベッカムの自伝なども読まれていないそうです。」


ふたご2

「まあブームだからと買ってしまったのでしょうかねえ。」


ふたご1

「このデータは出版業界もよく考え直してみた方がいいかもしれません。」


ふたご2

「そうですねえ。」


ふたご1
「本を売りたければ、もっと飾りやすい本を作れと言うことです。」

ふたご2
「そっちですか。」

ふたご1

「もちろんいい装丁といいタイトルといい著者名は必要です。」


ふたご2

「中身はいらんのですか。」


ふたご1

「まずあらゆる方向から見て映える本作りですね。」


ふたご2

「本なんだから背表紙だけでいいんじゃないんですか。」


ふたご1

「それだったら本棚を持っている人にしか売れないじゃないですか。自分から顧客層を狭めてどうするんですか。」


ふたご2
「そうなんですかねえ。」

ふたご1

「部屋の中央にぶら下げてもおしゃれに見える本なんかいいですね。」


ふたご2
「いいんですかねそれで。」

ふたご1

「シャンデリアなら高いですが、本ならシャンデリアほどの値段はしないのでお得感があります。」


ふたご2

「シャンデリアほど明るく照らしてもくれないですがね。」


ふたご1

「若者にとって一冊の本は、100本のたいまつよりその行く道を照らすものとなる―――ゲーテ――」


ふたご2
「でも読まないんでしょうがその本。」

ふたご1

「いいんですよ、ゲーテもそんなこと言ってませんから。」


ふたご2

「どつきまわしますよ。」


ふたご1

「インドのグジャラート州の警察官の制服が変わるそうです。」


ふたご2

「制服がですか。」


ふたご1

「なんと香りのする制服だそうです。」


ふたご2
「服がですか。」
ふたご1
「柑橘系の香りや花の香りがし、警察官に親しみを持ってもらえるようにという試みです。」
ふたご2

「もてますかねえ。」


ふたご1

「警察官の仕事と言えば激務です。当然汗のにおいがしみつきますから、人々に敬遠されがちです。」


ふたご2

「ましてやインドは暑いですからねえ。」


ふたご1

「しかもそんなに強い汗のにおいがしていては、尾行をしていても犯人達にもすぐわかってしまいます。」


ふたご2

「そこまでにおいがきつくないでしょう。」


ふたご1

「そこでフローラルやシトラスの香りの制服です。何てさわやかな警察官。」


ふたご2
「まあ汗のにおいよりはいいですか。」

ふたご1

「犯人達もさわやかなにおいにひかれて思わず振り返る。」


ふたご2

「あかんがな。 」


ふたご1
「日本でも取り入れるといいですね。」

ふたご2

「日本でもさわやかにしますか。」


ふたご1
「それよりは人々に親しまれ、愛され、健康にもよいように。」

ふたご2
「健康?」

ふたご1
「カレーの香りのする制服を。」

ふたご2
「お昼にカレー食べただけじゃないですか。」

3月16日、シャネルの5番よ。

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