ふたご1

「不況が続く中で、銀行は相変わらずの貸し渋り。特に中小企業のつなぎ資金の融資なんか門前払いや。その点、てこはわずかな力で、大きなものを動かせる。そら流行るやろ銀次郎はん」


ふたご2

「ミナミの帝王の竹井みどりを物まねする友近はてこの原理を解説したりしません。」


ふたご1

「香川県にさぬきうどん振興協議会というのがあるのですが。」


ふたご2
「はい。」

ふたご1

「さぬきうどんの新たなキャンペーンに取り組むそうです。」


ふたご2

「そうですか。」


ふたご1

「いままで、大晦日といえば蕎麦の独壇場でした。」


ふたご2
「年越し蕎麦ですから。」
ふたご1

「そこでさぬきうどん陣営は、『年明けうどん』をリリースして対抗する構えのようです。」


ふたご2

「年明けうどん?」


ふたご1

「海老や梅干しなど赤い具を入れて紅白でめでたいです。」


ふたご2

「まあめでたいのはいいんですが。」


ふたご1

「なぜ正月にうどんを食べるのかという理由付けが足りないとでも言うのですか。」


ふたご2

「誰しも思うことでしょう。」


ふたご1

「たとえば蕎麦は細く長く、長寿の象徴として食べられるのです。」


ふたご2

「昔金細工職人が、散らばった金銀のかすを集めるために、蕎麦を練った物で金銀を集めたという話がありますが。」


ふたご1

「それは金銀を集めるのに蕎麦を焼いて灰にする必要があるので、食べる年越し蕎麦とは違うものと見なします。」


ふたご2

「勝手に見なさんといてください。」


ふたご1

「しかし同じように長いものならうどんでもいいじゃないか。」


ふたご2

「まあ麺類一般に言えることですが。」


ふたご1

「しかしながら蕎麦の牙城はつよく、他の麺類は割り込めないのです。」


ふたご2
「年越し蕎麦という一つの単語になっていますからね。」

ふたご1

「そこでうどんは正月に乗り込んだわけなのです。」


ふたご2

「しかし正月もおせち料理とか雑煮とかがすでにいるのでは。」


ふたご1

「そこなんです。」


ふたご2

「そこでしょう。」


ふたご1

「こういったものは習慣のものですから、すでに一定の習慣があるところには割り込みにくいのです。」


ふたご2

「そうですねえ。」


ふたご1

「ハウス食品が何年「おせちもいいけどカレーもね」と言いつづけてると思いますか。」


ふたご2

「だからといって正月にカレーを食べる風習が広まったとは言い難いですねえ。」


ふたご1

「ですから、うどんも早めに撤退して別の日を狙った方がいいと思います。」


ふたご2

「まあ正月を迎える前からなんですが。」


ふたご1

「まず節分。このひにはすでに巻き寿司と豆が控えています。」


ふたご2

「巻き寿司も結構定着してきましたからね。」


ふたご1

「そしてバレンタインデー。この日はチョコです。」


ふたご2

「麺類を贈ったところで、お中元と間違えられますからね。」


ふたご1

「そしてひな祭り。甘酒にひなあられに菱餅です。」


ふたご2

「そんなに菱餅は食べませんがね。」


ふたご1

「さらに子供の日にはかしわ餅、冬至にはカボチャ、クリスマスにはケーキと七面鳥です。」


ふたご2

「まあそうですねえ。」


ふたご1

「ですからこういったものがない、うどんが入り込めそうな日を考えました。」


ふたご2
「なんでしょうか。」

ふたご1

「11月10日です。」


ふたご2

「…何の日ですか。」


ふたご1

「日本エレベーター協会が決めた、エレベーター記念日です。」


ふたご2

「知りません。」


ふたご1

「エレベーターのワイヤーも、うどんのように腰が強くなるようにという想いをこめて、皆さんうどんをすすりましょう!」


ふたご2
「うどん程度の腰で安心なのかワイヤー。」

10月3日、11月10日はハンドクリームの日でもあります。

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