「おっかさん、あれが二重まぶただよ。」
「一重の国からようこそ。」
「いろいろとかまびすしいアメリカの大統領選挙ですが。」
「民主党の有力候補、オバマ氏の血縁関係が調査されたそうです。」
「王制や貴族制がなかったのに調べられるんですか。」
「アメリカでも結構そういう調査がさかんなのです。」
「調べてみると、オバマ候補はブッシュ大統領と薄い血縁関係にあるとか。」
「はあそうなんですか。」
「しかもチェイニー副大統領とも8親等の親戚だとか。」
「それぐらい遠いとどうでもいいような気がしますが。」
「しかも、フォード、ジョンソン、トルーマンといった歴代大統領とも遠い親戚に当たるとか。」
「もりだくさんですねえ。」
「さらにいえばチャーチル首相やポカホンタスとも親戚関係にあたるというわけです。」
「まあブッシュ大統領はポカホンタスの子孫だと言っているらしいですが。」
「一方ヒラリー候補はアンジェリーナ・ジョリーやマドンナ、セリーヌ・ディオンと遠い親戚、共和党のマケイン候補はブッシュ大統領夫人のローラさんと遠い親戚に当たるとか。」
「いろいろとありますねえ。」
「このように、大統領候補ともなるとこれほどいろいろ調べ上げられてしまうということです。」
「まあみんな興味はあるんでしょうね。」
「ですから大統領候補になるのも考え物です。」
「しかし、大統領だって守りたいプライベートの一つや二つあるはずです。」
「まあそれはわかりますが。」
「守りたいご先祖の一人や二人あるはずです。」
「いや先祖までは。」
「しかし、マスメディアや大衆の興味は残酷なものです。いずれ、その先祖達がどんな行動を取っていたかまで調べ上げられてしまうのでしょう。」
「そこまで興味がありますか。」
「たとえば現ブッシュ大統領の父であるブッシュ元大統領はブロッコリーが嫌いでした。しかし、のブッシュ家の先祖全体ではブロッコリーが嫌いなのか、好きなのか。どちらが多いのか、誰しも興味を持つはずです。」
「いやまったく共感できませんが。」
「その議論が白熱し出すと、真偽を確かめようとして、心ない人が先祖の墓に花ではなくブロッコリーを供える始末。」
「確かめられんでしょうが、そんなことしても。」
「お盆にはなすやきゅうりのかわりにブロッコリーを馬にし出す始末。」
「そもそもそんな風習ないでしょうがアメリカに。」
「別に起こってもいい悲劇な気がしますが。」
「そして、ブッシュ元大統領はもっとブロッコリーを好きになるべきではないでしょうか。」
「それこそ余計なお世話です。」
「原油高騰が思わぬ所までにしわ寄せが来ました。」
「なんですか。」
「韓国軍では、シャワーの回数を一週間に一度に削減されるそうです。」
「いえ、というより。」
「というより？」
「軍人達が風呂に入らないことによって体から出てくる油を回収し、それで戦車などを動かそうという試みなのでしょう。」
「無駄な試みですね。」
「ではその油で湯を沸かし、シャワーを。」
3月28日、あぶら・げーる。
