新科学随筆・まほろば

科学、それは人をまほろばにみちびくもの。
かつて人類は、大空を飛ぶすべもなく、海を渡るすべも持ち合わせていませんでした。
人類が知っていたのは、自分たちのまわりのわずかな範囲のことだけ。それがすべての世界でした。
しかし、人類は大きな力を手に入れました。船です。
船があれば、海の上をわたり、向こうの国々に行けます。ですが、人力だけではいける範囲に限りがあります。そこで、人類は風の力を利用することを見出しました。
帆、それがあれば広い大海を渡ることが出来るのです。
しかしまがい物の帆では海は渡れません。人類は真実の帆、真帆を作ることに命を賭けました。
その真帆を作るための炉がある場所、それが真帆炉場です。
このことからまほろばと言えば、新たな世界へのスタート地点としての意味を持つようになったのです。

さあ、 新たな世界への扉を、あなたも開いてみましょう。

第二回  ダイエットと不思議


肥満の増加とそのなぞ
近年、社会的な問題と化しているのがメタボリックシンドロームに代表される、肥満の問題です。
交通の発達、食の飽食化、インターネットやゲームなどに没頭するあまり外出や運動をしなくなる…。これら複数の原因が、肥満の増加を生み出していると言われています。
しかし、本当にそれだけが原因なのでしょうか。
今まで挙げた条件は、どれもこれも納得のいくことばかりです。しかし、人は納得のいく仮説を見いだすと、それ以上の真実を追い求めることを止めてしまう悪い癖をもっています。
今までの説が信憑性が高い、だからこそ見落としている大きな問題点があるのではないでしょうか。



どうしてやせられない?
肥満から脱出しようとして、多くの人々がダイエットにいそしみます。しかし、成功する例はほんの一握りに過ぎません。
そのため、様々なダイエット法が現れては消えていきます 。

なぜ、こんなことになるのでしょうか。まず考えられることは、人にはそれぞれ違った体質があり、また違ったライフサイクルを持っているために、ひとつの方法で解決するわけはないということがあります。しかし、その見方はきわめて一面的な考え方といえるでしょう。万能的な解決法はない、という言葉にすがり、万能的な解決法の発見を断念するのはきわめて怠惰・欺瞞的な考え方といえます。きっと万能的な解決法はあります。いえ、あるはずなのです。


やせない人に共通するもの
まず、どうして人は太るのでしょうか。それは、摂取した食事のうちの余分なエネルギーを脂肪細胞に蓄えるためです。もし、この脂肪細胞がなければ、人はモグラのように一日の大半を食事に費やさねばならず、しかも少しでも食べられない期間があるとたちまち飢え死にてしまうでしょう。

脂肪細胞が存在するため、人は苦しい時代をくぐり抜けることが出来ました。しかし、現在の先進国では有り余る食料品があります。だから、あえて食べないことによってやせようとする『ダイエット』が行われているのです。ちなみにダイエットは本来は食事制限による減量のみをさす言葉です。

けれども、ここで不思議なことが起こるのです 。


食べないのにやせない?
ダイエットをしている人が語る、多くの現象が「食べていないのにやせない」というものです。

今まで、この証言はアカデミックの場からは白眼視されてきました 。中州産業大学の森田教授などはしばしば「水しか飲んでないのに太るなどということはありえない。どこかで食べているのだ。食べなければ太ることはない。」と白昼堂々と語り、多くの人々の支持を集めています。

しかし、数多くの証言は、本当に偽りなのでしょうか。森田教授は一人、証言者は多数です。そして現代の日本は民主主義社会です。一人の意見が多数の意見に優先されることがあってはなりません。それに、こんなにおなかがすいているのに、何か食べたと言うことがあるでしょうか。

食べない人も食べるもの
答えは、森田教授の言葉の中にあります。

「水しか飲んでないのに」

そう、太った人がすべて飲むもの、それは水なのです。水太り、という言葉がありますが、それとは異なります。
この現象は、ダイエット中の人々を観察することによって確認されました。ダイエット中の人々は、水を飲む時に思わずこういうのです。

「あー、おにぎり食べたい。」

この思いはとても強い真実です。おなかがすいている時に食べたいという気持ち、それは何物にも代え難い真実であるはずです。その真実の思いが水の分子に作用し、水がそのおにぎりと同じようなカロリーを持つようになった、ということなのです。

水のふしぎなちから
これで水しか飲んでいない人が太るようになった原因がわかりました。水しか飲んでいない方は、水の前で「うどんが食べたい」「パンが食べたい」「たこ焼きが食べたい」「トルティーヤが食べたい」と無意識につぶやいたことがあるのではないでしょうか。そうして、小麦粉や米やトウモロコシと同じカロリーを持った水を摂取してしまうのです。

この現象は、不思議なことに炭水化物を含んだ食べ物の場合にのみ起こるとされています。(調査対象:炭水化物抜きダイエットを行った人 13人 )私たちは水から由来する炭水化物のカロリー、水からの澱粉分を受け止めて、太っていく他はないのでしょう。

 



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