双葉ナカコ親善交流

レムミ助手	世界規模の治安用怪人会議にやってきた双葉ナカコ博士（エキシビジョン要員で）。会場暖房用の石油ファンヒーターに灯油ではなくガソリンを入れるという、おそるべき爆発テロが実行されたことにより、今回世界治安用怪人会議の治安対策が問われている昨今。といってもかなり前のことのような気がする昨今。えらい人であるヴァシャーリ博士が登場し、今後の問題が語られるのであります。
グナイゼナウ博士	えっ、それは本当ですか。
ヴァシャーリ博士	ふん。こんな事態になったからには当然だろう。まったくもって頭のめぐりが悪いな。
高橋委員	しかしエキシビジョン用の怪人を会場警備に当たらせるというのは…。
望月委員	エキシビジョン用の怪人はまだ実地テストもされていない代物ですが？
ヴァシャーリ博士	ふん、ジャパンの役人は自国の怪人にそんなに自信がないのかね。
高橋委員	はい。
ヴァシャーリ博士	うおい。
双葉博士	ちょっとう！
高橋委員	まあ自信がないというのは若干オブラートに包んだ表現ですが。エキシビジョン用の怪人として選定したものですから、通常の怪人のように性能を評価する時間や機会もありませんでした。ですから自信の持ちようもありません。
ヴァシャーリ博士	ふん、さすがに官僚は責任逃れにたけた人種だな。
高橋委員	負わなくていい責任まで背負い込むほど勇敢ではありません。
ヴァシャーリ博士	ふん。まあ責任はわしが取る。念書でもなんでも書いてやろう。
高橋委員	ありがとうございます。しかし、いざ不測の事態が起こってからでは…
ヴァシャーリ博士	不測の事態はもう起きておる。なにしろアシスタントがハッキングされるような事態だからな。
グナイゼナウ博士	……。
ヴァシャーリ博士	しかし犯人が誰であれ、この会議を開催しないわけにはいくまい。ハッキングまでしておいて、やったのがファンヒーターのボヤ程度であるということは、犯人の目論見もおのずからわかってくるというもの。
望月委員	つまり会議の開催阻止自体が犯人の目的だと？
ヴァシャーリ博士	そうならば犯人の思うつぼだ。テロに屈するわけにはいかん。
望月委員	しかしハッキングを行うような犯人ならば、会議を強行すれば報復措置をとってくる可能性があります。
ヴァシャーリ博士	そうなるだろうな。だから警備を強化する必要があるが…。アシスタントシステムはつかえんし、いまさら警察や警備会社に頼むわけにもいかん。なにしろアイスランドは人口が少ないからな。
望月委員	ですがエキシビジョン用の怪人は、会場警備用のシステムも導入されているかどうかも分かりませんし…。
ヴァシャーリ博士	そこだ。
レムミ助手	そこなのか。
ヴァシャーリ博士	こちらがそのような予定外の警備体制を敷くと、犯人が予想できると思うかね。
高橋委員	いえ…・。
ヴァシャーリ博士	そうだろう。つまり犯人が事前にどんな計画を立てていても、その計画は水の泡と言うことになる。これこそ最も効果的な対策だ。
高橋委員	ですが、事前準備がない警備計画の変更は不測の事態を引き起こしかねません。そうなれば、相手につけ込む隙を与えるだけでは…。
ヴァシャーリ博士	ふん。では今のまま、奴らの思う壺にさせておけというのかねっ!?
高橋委員	ですが…。
双葉博士	高橋さん！
レムミ助手	はかせっ？
双葉博士	私の怪人を、警備につかってください。
高橋委員	双葉博士…。
双葉博士	ゾルターン博士のおっしゃるとおり、何もしないよりは何かした方がましです。
高橋委員	…………。
双葉博士	それに、私たち博士の怪人は、このような治安を乱す奴らと闘うためにうまれてきたんです！こんな時に役に立たないでなにが怪人ですか！
高橋委員	……わかりました。
ヴァシャーリ博士	おお。
高橋委員	ですが、念書の件はしっかりと書いてもらいますよ。
ヴァシャーリ博士	ふむまあそれくらいはな。
獅子ヶ島委員	双葉博士もよろしく。
双葉博士	え、ああ、はい。。
望月委員	こちらが作戦の発案を行ったという念書、こちらが作戦の失敗の責任を全て負うという念書、これが作戦の結果、または行使によって発生した損害に対する賠償責任の…
ヴァシャーリ博士	……あのそのトランクは…。
高橋委員	とりあえず200、あとで本省に問い合わせて追加がないか聞いておきます。
レムミ助手	さーちゃっちゃとサインするんだー。
双葉博士	えええっ？