「そこは短絡的でいいんじゃないですか。」

「カッコウという鳥は。」

「ほかの種類の鳥の巣に卵を生み、そのかえったひなが元にいた
卵やひなを追い出して自分だけえさをもらうというほほえましい習性で
知られていますが。」

「イギリスのケンブリッジ大学の研究で、この時に卵やひなをすべて
追い出さずに、２羽ほど残しておいたほうが当のカッコウも大きく
成長するのだということがわかりました。」

「そういうものですか。」

「種類の違う鳥同士でも協力していける…生まれた国や
人種が違っても平和に暮らしていけるという人類への問いかけでは
ないでしょうか。」

「これからは平和の象徴もハトなどではなくカッコウにしましょう。」

「スイスの酪農農家で『ナイトミルク』と呼ばれる新製品が
開発されたそうです。」

「このミルクには睡眠誘発物質であるメラトニンが
通常のミルクの５倍もふくまれているということなのです。」

「なんだか冗談みたいな技術ですね。」

「寝ている牛からは睡眠誘発物質が分泌されやすい。
これはもう至極当然の結果です。」

「まあそういわれればそうかもしれませんが。」

「そう、たとえば張り切ってやる気を出したいときには、スペインの
闘牛場でマタドールにつきかからんとするたくましいホルスタインから
搾乳する『バトルミルク』。」

「歯車ではなくて牛車。」

「みんなの垂涎の的となるような魅力を身につけたいときには
今まさに鉄板の上で香ばしいにおいを立てて焼けているホルスタインから
搾乳した『特選上カルビミルク』。」

「そんなものまで解読するのですか遺伝子。」

「これで不治の病といわれたにきび治療に大いなる光明が。」

「そこまでは誰も言ってませんが、まあ思春期の人には
よいかもしれませんね。」

「そしてこの技術を応用すれば人造にきびの開発も
可能です。」

「たとえば主役の座を奪われたバレリーナが嫌がらせに
主役の子ににきびを…。」

「世界平和ぁ？」

「たとえば二つの国が争っています。相手の国を激しく憎み、
地上から殲滅せんと憎悪に固まっています。」

「はあ。」

「そう！思われにきびです！」

「あとは『思われにきびができるなんて、誰かあんたの国のことを
好きなんじゃないの？』と冷やかしてやれば、『いがみ合ってばかり
いたあの国だけど、こんなに気になるのはどうして？』と、今まで
気づかなかった 相手の国が好きな気持ちを見つけ出して、
両国の友好が…。」

8月6日、八百にきび。

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