「ふかふかはいいとしてぶにぶに。」

「マジですか。」

「マジです。」

「今までマジパンというのはありましたがソーセージ業界ではマジは初めてかと。」

「それは違う意味だと思いますがマジパン。」

「江戸時代ぐらいからマジという言葉はあったんですが、なぜか若者が主に使う言葉になったのがマジです。」

「いわばゾンビのように蘇ってきた言葉です。」

「町には自分のことをそれがしという若者があふれ、ありおりそがりいまはべりに。」

「意味がわかりませんが。」

「ウルトラマンもたらちねのウルトラの母がばったばったとひょうすべやぬっぺっぼうをなぎ倒し祇園精舎の鐘の声。」

「母がそんなにメインになった話聞いたことないですが。」

「そこで若くない方はこういったゾンビ言葉を使われないような対策をとってください。」

「つまり若者同志がしゃべる言葉だと、言葉がわかりにくくなるわけです。」

「まあそうですね。」

「ですからこれからの会話は矢文やのろしを基本ベースにして。」

「基本的に年寄りもしませんよ。」

「耳の後ろにある超音波発声器官を震わせて超音波で会話するのもいいですね。」

「人類史上そんな器官を持った人間はいません。」

「ダイア建設が開発中の「ダイアパレス西新井」の建設地仮囲いに、小学生の図工作品をウォールギャラリーとして展示するプロジェクトを行なっているそうですよ。」

「『ぼくのお父さん』や『たのしかった遠足』や『産業革命期に炭鉱労働に従事する子供の図』などが見られるわけです。」

「そんな歴史の教科書に載っているような絵は子供は描かんでしょう。」

「そして玄関にまわるとロシアが煮ている栗をイギリスにそそのかされて広いに行こうとする日本の絵が。」

「そんな日露戦争の風刺画などなおさら描かないでしょう。」

「こうした新しいマンションができるのはたいへんすばらしいことだ。しかし、日本がここまで発展してきたのも、過去の歴史の積み重ねがあってのことです。―――そう、マンションのコンクリートのように―――先人達の苦労をしのび、現代の生活のありがたさを味わってほしい…」

「……」

「だからそんな小学生がいないといってるんですが。」

9月2日、まいないつぶれ。

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