「弘法、象が踏んでも壊れない筆箱を選ばず。」
「弘法ほどの高僧になると象に踏まれることはないということですか。」
「アメリカの医学誌、アーカイブズ・オブ・サージャリーに、内視鏡手術に関する論文が発表されたそうです。」
「その手術を行う医師がゲームが好きであれば、ミスが少なく、スピードも速いということがわかったそうです。」
「そういうものなのですか。」
「内視鏡手術というのは内視鏡で内部の様子を見ながら、コントローラーを使って内視鏡についた手術道具で手術をするわけです。」
「そして患部をゲームの敵である、にっくき武田信玄や上杉謙信と思えば手術のモチベーションもあがるというものです。」
「アメリカで日本の戦国時代物ゲームをやっているかどうかは知りませんけどね。」
「しかし手術というのはただやみくもに攻撃的精神を高めても成功するわけではありません。」
「それはそうですね。」
「ですから患部をゲームの攻略である、愛しい織田信長や明智光秀と思えば手術の成功確率も高まるというものです。」
「アメリカに戦国大名相手に恋愛する、戦国恋愛シミュレーションゲームがあるかどうかは知りませんが。」
「しかし手術には時には思ってもいない困難が立ちはだかるときがあります。」
「まあそうですね。」
「時には患部が事前にわかっていなかった思いもよらない状態になっているかもわかりません。」
「そんな時に、患部が看護婦やジャーナリストや野菜のソムリエといった、思いもよらない変身テクニックを使って思いもよらない大活躍をするマジカルラクーンウィッチ徳川家康やビッグワンテンサウザントグレートラッキー石田三成だと思えば、どんな不測の事態にも対応できるわけです。」
「キューバのハバナ郊外にある、ヘミングウェイが住んでいた家の補修が完了したそうです。」
「老人と海ですね。」
「この家は通称、白い家とよばれているそうです。」
「しかし、晩年の白い家は黄土色に塗られており、白い家だったのはヘミングウェイの死後、博物館に改装されてからだったそうです。」
「なぜわざわざ白に塗ったのかよくわかりませんね。」
「そういうわけなので、今度の補修では黄土色に塗りなおされたわけなのですが、これからも白い家と呼ぶべきなのでしょうかどうか。」
「まあ長い間の慣習ですからそう簡単には変わらないと思いますが。」
「そうですね、いまさらアメリカのホワイトハウスが米英戦争で焦げていたといって、ブラックハウスというわけにもいきませんからね。」
「個人的にそう見えただけじゃないですか。」
「実は第27代大統領タフトがある日鼻血を出して、ちょっと官邸の壁に赤いしみをつけてしまったからといって、あんまんハウスといまさら呼ぶわけにもいきませんからね。」
「そんな事件があったとしても呼びません。」
「第31代大統領フーバーが、物置としてホワイトハウスの両隣に黒い小屋を立てたからといって、オセロのルールに反逆し続けるハウスと呼ぶわけにもいきませんからね。」
「むしろオセロのルールに従うハウスを教えてください。」
「全日空では中国線就航20周年を記念して、パンダをデザインしたジャンボジェット機の愛称を募集しているそうですよ。」
「何がいいですかねえ愛称。」
「まあパンダらしい愛称ですね。」
「あと曲芸もできますね。」
2月23日、へんしょく。
