ふたご1

「さあ!テレビはCMの後すぐ!」


ふたご2

「ラジオなんですかテレビなんですか。」


ふたご1

「カリフォルニア州ですが。」


ふたご2
「はい。」

ふたご1

「婚姻届の氏名欄に『新郎』・『新婦』と但し書きがされるようになったそうです。」


ふたご2

「はあ。普通じゃないんですか。」


ふたご1

「日本だと『夫となる人』『妻となる人』と書かれています。」


ふたご2
「そうですね。」
ふたご1

「しかしカリフォルニア州では、同性婚が解禁されているので、男性同士や女性同士の婚姻届が出されることがあるのです。」


ふたご2

「そうなると妻も夫もないですねえ。」


ふたご1

「そんなわけなので、これまでは当事者A・当事者Bとなっていました。」


ふたご2

「それも何か味気ないですね。」


ふたご1

「そう思った男女のカップルが、新郎・新婦と書き換えて提出したところ、受理を拒否されて裁判沙汰になったそうです。」


ふたご2

「それで新郎新婦になるんですか。」


ふたご1

「しかしそうなると、今度は同性同士のカップルが困ってしまいます。」


ふたご2

「まあそうですねえ。」


ふたご1

「そこで当事者A・当事者Bの欄の横に『新郎・新婦』の場合はチェックできるように欄を設けました。」


ふたご2

「なるほど。」


ふたご1

「しかし、これではいけません。」


ふたご2

「いけませんか。」


ふたご1

「新郎・新婦ではない同性のカップルは、新郎新婦という欄を見て気を悪くするでしょう。」


ふたご2
「そうかも知れませんが。」

ふたご1

「逆にAとB扱いされて怒る人も出てくるでしょう。」


ふたご2

「そうですねえ。」


ふたご1

「ABブラザーズはコンビが解散してしまったというのに、そんな扱いをされるなんて縁起が悪いと。」


ふたご2

「現在のカリフォルニア州にABブラザーズを知っている者が一人でもいるのか。」


ふたご1

「さあ、盛り上がってまいりました。」


ふたご2

「やかましい。」


ふたご1

「それにAとBではAのほうが優れているという印象を与えかねません。」


ふたご2

「それは問題かもしれませんねえ。」


ふたご1

「それになにより。」


ふたご2

「なにより?」


ふたご1

「婚姻届のスペースがもったいない。」


ふたご2

「わざわざ言うようなことかっ。」


ふたご1

「そこで新しい書き方を考えるべきだと思いますカリフォルニア州。」


ふたご2

「まあそうなるんですかカリフォルニア州。」


ふたご1

「たとえば、当事者Nと当事者Sとか。」


ふたご2

「なんですかそれは。」


ふたご1

「二人が引かれあって結婚することを、磁石のN極とS極であらわしました。」


ふたご2

「でもそれでは『夫と妻』であるべきという人が納得しませんが。」


ふたご1

「そこはNは『husbaNd』のN、Sは『wiveS』のSということにすれば。」


ふたご2
「いつの間にか一夫多妻制になってますが。」

ふたご1

「他には、HusbandのHと、WifeのWという手も。」


ふたご2

「でもそれだと同性のカップルはどうすれば。」


ふたご1

「Hは『Honey』ということで。」


ふたご2

「まあハニーといいますからね男女問わず。」


ふたご1

「Wは…Weedということで…」


ふたご2
「蜂蜜を雑草に塗って何が起きるというのだ。」

10月24日、はちみつザッソウ。

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