「不況が続く中で、銀行は相変わらずの貸し渋り。特に中小企業のつなぎ資金の融資なんか門前払いや。その点、てこはわずかな力で、大きなものを動かせる。そら流行るやろ銀次郎はん」
「ミナミの帝王の竹井みどりを物まねする友近はてこの原理を解説したりしません。」
「香川県にさぬきうどん振興協議会というのがあるのですが。」
「さぬきうどんの新たなキャンペーンに取り組むそうです。」
「そうですか。」
「いままで、大晦日といえば蕎麦の独壇場でした。」
「そこでさぬきうどん陣営は、『年明けうどん』をリリースして対抗する構えのようです。」
「年明けうどん？」
「海老や梅干しなど赤い具を入れて紅白でめでたいです。」
「まあめでたいのはいいんですが。」
「なぜ正月にうどんを食べるのかという理由付けが足りないとでも言うのですか。」
「誰しも思うことでしょう。」
「たとえば蕎麦は細く長く、長寿の象徴として食べられるのです。」
「昔金細工職人が、散らばった金銀のかすを集めるために、蕎麦を練った物で金銀を集めたという話がありますが。」
「それは金銀を集めるのに蕎麦を焼いて灰にする必要があるので、食べる年越し蕎麦とは違うものと見なします。」
「勝手に見なさんといてください。」
「しかし同じように長いものならうどんでもいいじゃないか。」
「まあ麺類一般に言えることですが。」
「しかしながら蕎麦の牙城はつよく、他の麺類は割り込めないのです。」
「そこでうどんは正月に乗り込んだわけなのです。」
「しかし正月もおせち料理とか雑煮とかがすでにいるのでは。」
「そこなんです。」
「そこでしょう。」
「こういったものは習慣のものですから、すでに一定の習慣があるところには割り込みにくいのです。」
「そうですねえ。」
「ハウス食品が何年「おせちもいいけどカレーもね」と言いつづけてると思いますか。」
「だからといって正月にカレーを食べる風習が広まったとは言い難いですねえ。」
「ですから、うどんも早めに撤退して別の日を狙った方がいいと思います。」
「まあ正月を迎える前からなんですが。」
「まず節分。このひにはすでに巻き寿司と豆が控えています。」
「巻き寿司も結構定着してきましたからね。」
「そしてバレンタインデー。この日はチョコです。」
「麺類を贈ったところで、お中元と間違えられますからね。」
「そしてひな祭り。甘酒にひなあられに菱餅です。」
「そんなに菱餅は食べませんがね。」
「さらに子供の日にはかしわ餅、冬至にはカボチャ、クリスマスにはケーキと七面鳥です。」
「まあそうですねえ。」
「ですからこういったものがない、うどんが入り込めそうな日を考えました。」
「11月10日です。」
「…何の日ですか。」
「日本エレベーター協会が決めた、エレベーター記念日です。」
「知りません。」
「エレベーターのワイヤーも、うどんのように腰が強くなるようにという想いをこめて、皆さんうどんをすすりましょう！」
10月3日、11月10日はハンドクリームの日でもあります。