「時代劇やろうぜ！俺江戸役！君は縄文！」
「どういう劇が成立するんだ。」
「ロシアの大統領を退任後には首相に就任する予定のプーチン大統領ですが。」
「ロシアと言えばやはり旧ソ連の伝統もありまして、政府のおもな機関には指導者の肖像画をかざる習わしになっているようですが、次のメドベージェフ政権は事実上プーチン首相のものだという観測が強いようです。」
「まあ普通大統領までやった人間がおとなしく首相をやっているとは思えませんねえ。」
「たしかにプーチンさんは国民からの圧倒的な支持と、旧KGBや財界などの人脈を豊富にもち、かなりの実力者です。メドベージェフ氏が単なる傀儡となりかねないという見方はたしかに強いです。」
「しかし、政治の世界は一寸先は闇。メドベージェフ氏がプーチン首相の影響力から脱し、独自の方針を取りたいと思い出すかも知れません。」
「まあそういうこともあるかも知れませんねえ。」
「しかし、そういった動きをプーチン首相に気づかれてはたいへんです。いつ手のものがメドベージェフ大統領をあれこれするかわかったものではありません。」
「あれこれされますからね。」
「ですからメドベージェフさんは少しずつ少しずつ影響力を高める方法をとってもらいたいですね。」
「かなり余計なお世話だと思いますが、まあいいでしょう。」
「ですから、まずはプーチン首相の部屋に自分の肖像画を飾ることから始めないと。」
「バレバレじゃないですか。」
「だからわからないように肖像画を貼るのです。」
「いやわからないようにと言っても。」
「たとえばプーチン首相がデザートを食べます。」
「デザート。」
「すると、飴の中から切っても切ってもメドベージェフ大統領の顔が。」
「そしてプーチン首相のもとに回ってくる公文書の文字配列がよく見るとメドベージェフ大統領に。」
「アスキーアートですか。」
「そして壁からにじみ出てくるメドベージェフ大統領の顔。」
「霊ですか。」
「そうしてメドベージェフ大統領の顔を見続けたプーチン首相は、知らず知らずのうちにメドベージェフ支持者になってしまうのです。」
「なるんですかねえ。」
「しかし、こう話がうまくいくとは限りません。」
「まあいかないでしょうが。」
「プーチン首相の側も自分の肖像画をメドベージェフ大統領の執務室に飾ろうとするに違いないからです。」
「違いないのか。」
「メドベージェフ大統領が食べようとするお弁当にプーチン首相の顔が！」
「嫌なキャラ弁だなあ。」
「なんて鳴くんだプーチン時計。」
「そして壁からにじみ出てくるプーチン首相の顔。」
「また霊か。」
「このように、政権の主導権をねらうさや当ては続くのです。」
「もうちょっとまともな方法でやってほしいものですが。」
「そうですね、ですから悪影響も出てきますね。」
「まず肌荒れがひどくなりますね。」
「肌荒れ？。」
「そして顔の脂質がほとんど吸い取られてしまいます。」
「脂質？」
「あと、壁にずっと顔を押し当てているので、顔がずいぶんと平べったくなります。」
2月22日、アメリカでは壁に穴が開くのでおすすめできない。
