「フィギュアスケートの選手よりも、銀盤の妖精と呼ばれたいので、毎日銀盤を引っ張ってトレーニングしています。」
「妖精というより妖怪よりですね。」
「フランスのサルコジ大統領が、ユネスコへの無形文化遺産の登録を目指すようです。」
「その登録を目指す文化がフランス料理です。」
「なるほど食文化ですか。」
「今まで様々な伝統芸能や習慣が無形遺産として登録されてきましたが、フランス料理のような食文化が登録されるのは例がないそうです。」
「そうですね、伝統を受け継ぎつつ、変化していくのが食文化の側面でもあります。」
「そうですねえ。」
「かつてはお好み焼きにマヨネーズを掛けるのは邪道だと言っていた島田紳助さんも、いつの間にかマヨネーズをかけるようになっています。このように食文化は変化していくものなのです。」
「それは文化云々を持ち出さなければならないような話ではないと思いますが。」
「かつてはマグロのトロは捨てられていたのですが、最近になって好まれるようになったというように。」
「まあそっちの方の話なら素直に聞けます。」
「やしきたかじんが味の素がないと怒って帰ってしまうように。」
「それはもう完全に話が違います。」
「特にフランス料理は、ヌーヴェル・キュイジーヌやキュイジーヌ・モデルユといった新しい潮流も産みだしているのです。どの時点の料理を継承すべき遺産とするのか、それは難しい問題です。」
「まあそうですねえ。」
「ですから、ここまでが正当なフランス料理だという基準を決めなければならないということになります。」
「そうですねえ。」
「たとえば子牛肉のブルゴーニュ風煮込み。」
「しかし子牛肉のブルゴーニュ風煮込み茶漬けはどうか。」
「いや茶漬けはフランス料理ではないでしょう。」
「しかしそのお茶の水がエビアンだったら？」
「だったら？と言われても。」
「そしてお茶を摘む時にラ・マルセイエーズを歌いながら摘んでいたら？」
「お茶を摘む人にフランス国歌を歌われてもねえ。」
「そしてお米はカリフォルニア米。」
「もう完全に違います。」
「しかし、アメリカ独立の際にフランスが影ながら支援していたとしたら？」
「いやまったく関係ないです。」
「そしてそれを京都の人に出されたら？」
「さっさと帰るしかないんじゃないですか。」
「有名人をですか。」
「そして壁からにじみ出てくるプーチン首相の顔。」
「また霊か。」
「坂本龍馬や西郷隆盛の名を冠したお土産が観光地ではよく売られています。しかしその名前が特定の人しか使えなくなるとたいへんです。」
「まあそうですねえ。」
「同じように吉田松陰の名前を登録された萩市では特許庁に取り消し申請を行うほどです。」
「ですから、このようなことをされても平気なように、今から対策を立てておくべきです。」
「なんでしょうか。」
「本名を登録商標にされても大丈夫なように、あらかじめ有名人に愛称をつけておくのです。」
「愛称？」
「薩長同盟は、土佐藩の鉄砲靴野郎の仲介により、薩摩藩の犬連れと長州藩のキダ・タローの間で結ばれました。」
2月29日、犬連れと犬食われの会談により江戸城開城。
