ふたご1

「みんなのうたが聞こえてくるよ。み、み、み、みろみろみろみろみみみ。」


ふたご2

「そんなみんなとは早く縁を切った方がいいです。」


ふたご1

「第二次大戦頃の話ですが。」


ふたご2
「はい。」

ふたご1

「イギリスの情報機関が、占星術師を雇っていたというのです。」


ふたご2

「なんですかそれは。」


ふたご1

「そして昭和天皇やヒトラーなどの枢軸国側の指導者の運勢を占い、その結果を陸軍省に報告していたというのです。」


ふたご2
「そんなことさせてたんですか。」
ふたご1

「まあ当時の人々はそうした迷信にとらわれていたのです。」


ふたご2

「だいぶ科学的な世の中だったと思いますが。」


ふたご1

「アメリカ軍には従軍牧師がいて、雨が晴れるように祈祷させていたという話もあります。」


ふたご2

「そうなんですか。」


ふたご1

「それが一国の指導者の運勢ともなれば、戦争の帰趨に関わる重大事です。占星術師でもなんでも投入して知りたいと思うのは当然ではないでしょうか。」


ふたご2

「まあそうかもしれませんが。」


ふたご1

「現実にイギリス側が属する連合国側が勝ったことを見ると、これら指導者達の運勢を利用したと見るのが妥当です。」


ふたご2

「どんな風に利用するんですか。」


ふたご1

「たとえば、敵国の指導者のラッキーカラーが緑だったとすれば、敵に攻め込む戦車や飛行機の色を緑以外の色にします。」


ふたご2

「いや手間がかかりすぎですが。」


ふたご1

「だからいろいろな色に対応できるように、今の戦闘服はまだら模様なんですね。」


ふたご2

「いやそれは迷彩ですが。」


ふたご1

「そしてラッキーナンバーが7なら、7人で攻め込まない。」


ふたご2
「そもそも7人で勝てると思うな。」

ふたご1

「そしてもう一つの戦術が、逆利用です。」


ふたご2

「逆利用?」


ふたご1

「相手にとって不都合な結果を、相手が自分から使うようにし向けるのです。」


ふたご2

「ははあ。」


ふたご1

「つまりアンラッキーカラーが赤なら、相手に赤を使わせるようにしむけるのです。」


ふたご2

「うまくいくんですかねえ。」


ふたご1

「たとえばアメリカは日本相手にこれをやったと言われています。」


ふたご2

「そうなんですか。」


ふたご1

「たとえば昭和天皇や東条英機首相のラッキーカラーが赤だった場合。」


ふたご2

「どうやったんですか。」


ふたご1

「わざと戦いに負けて大損害を出します。」


ふたご2

「ええっ。」


ふたご1
「そうすると、日本ではめでたいので赤飯を炊いてお祝いしてしまうのです!」
ふたご2

「赤飯かっ。」


ふたご1

「そして緑色の時には豆ご飯を炊かすように、青の時にはブルーハワイご飯を炊かすように戦況を微妙にコントロールしたというのです。」


ふたご2

「どんな事態だブルーハワイご飯。」


ふたご1

「あとはアンラッキーカラーが紫の時には、ブルーハワイご飯を赤いサングラス越しに見るなど、いろいろご苦労されたそうですよ。」


ふたご2

「誰だ苦労したのは。」


ふたご1

「ほかにもアンラッキーカラーを使わせる方法はいろいろとありました。」


ふたご2
「あるんですか。」

ふたご1

「たとえば重要閣僚とそのスタッフに薬品を投与し、書類のできあがりをめちゃくちゃにします。」


ふたご2

「すでに妨害工作になってますが。」


ふたご1

「すると、敵国指導者はその書類を、赤いペンで修正せずにはいられなくなってしまうのです。」


ふたご2

「赤ペン先生か!」


ふたご1

「これも戦況によって、緑や紫やピンクのペンを使わせるように書類を操作します。」


ふたご2
「何ペン先生だ。」

3月6日、もうすこしがんばりましょう。

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