ふたご対談
このコンテンツは複雑に入り組んだ現代に鋭いメスを入れるべく、
先週に世界やら日本やらその辺で起こったさまざまな出来事を、
そこらへんでウダウダと双子が語り合う、毒にも薬にもならないものである!


  
ふたご1

「東京タワー、オカンとボクと、時々、ムッシュー・パパ?」


ふたご2

「明らかに別のタワーですね。」


ふたご1

「いろいろとある国、フィリピンですが。」


ふたご2
「どこの国でもいろいろあるものです。」

ふたご1

「フィリピン下院の委員会で、ものまね禁止法案が可決されたそうです。」


ふたご2

「えええ。」


ふたご1

「しゃべり方や言い回しを、その人をおとしめるような形でまねた場合は罪となり罰せられます。」


ふたご2
「それではものまね芸人はやってられませんねえ。」
ふたご1

「ものまね芸人だけではなく、一般人も罪に問われる可能性があります。」


ふたご2

「まあそうかも知れませんねえ。」


ふたご1

「日本で行ったら森進一関連の犯罪者だけで大変な数になるでしょう。」


ふたご2

「今もそんなにみんなやってますか森進一。」


ふたご1

「ああ禁止されたのですね。」


ふたご2

「禁止されたのは森進一さんがある歌を歌うことです。」


ふたご1

「しかしながらこういう法律も理由無くできるわけではないわけでして。」


ふたご2

「まあそれはそうでしょう。」


ふたご1

「フィリピンでは民族問題が起こっており、こうしたものまねなどが差別につながるのではないかという問題です。」


ふたご2

「それはありますねえ。」


ふたご1

「ですが、そのようなことでものまねをしたいという人の欲望を抑えつけられるのでしょうか。」


ふたご2

「そんなに強いですか、ものまね欲。」


ふたご1

「我々はみんな、アジアの黄色い人まね子猿じゃないですか。」


ふたご2
「いっしょにしてもらいたくないところですが。」

ふたご1

「ですので、ものまねの方法を考える必要があります。」


ふたご2

「ものまねの方法?」


ふたご1

「むやみに特徴のある人を誇張するから、傷つく人も出るのです。まったく特徴などにとらわれずに、誇張などせずそっくりに同じにやれば、傷ついたりはしないものです。」


ふたご2

「でもそんなおもしろみのないものまねなんてやる気はしないでしょう。」


ふたご1

「そこである技術を国民に体得してもらいます。」


ふたご2

「なんですか。」


ふたご1

「パントマイムです。」


ふたご2

「は。」


ふたご1

「パントマイムと言えばあれです。」


ふたご2

「なんですか。」


ふたご1

「壁です。」


ふたご2

「まあありますけど壁のパントマイム。」


ふたご1
「それを目の前で行われたらどうでしょうか。」
ふたご2

「どうかなりますか。」


ふたご1

「思わずこう思うでしょう。『はっ、鏡だ!』」


ふたご2

「思いますか?」


ふたご1

「不意を突かれた人は、思わず鏡として相手のものまねをしなければならないという強迫観念に襲われるのです。」


ふたご2

「何で自分が鏡になってるんですか。」


ふたご1

「よく言うでしょう、子は親の鏡、みんな誰しも子だったのです。鏡となるのは当然でしょう。」


ふたご2
「もはやまったく意味がわかりません。」

ふたご1

「こうして人々はお互いがおたがいのまねをして、世界は平和に。」


ふたご2

「平和というか訳がわかりません。」


ふたご1

「しかしながらひとつ問題がありまして。」


ふたご2

「なんですか。」


ふたご1

「そういう状況になった時に、どっちが先に動き出すべきなのか。」


ふたご2
「一人で考えていてください。」

4月4日、まねまねまね。

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