「ガイシャの死因は電子レンジでゴンと見られます。」
「電子レンジがらみがなんでもチンに近いと思ったら大間違いです。」
「サウジアラビア大使館ですが。」
「6月14日の世界献血デーで、献血をした方にはサウジアラビア料理を振る舞うイベントを企画しているそうです。」
「ははあ。」
「考えてみれば献血希望者は減少の一途をたどっております。」
「ですからサウジアラビア大使館を見習って、他の方々も献血キャンペーンに協力したらいいのではないでしょうか。」
「そうですね。」
「たとえば製鉄所は献血をしたら鉄分取り放題とか。」
「いや鉄を直にとらされても。」
「遊園地は、献血をしたらジェットコースター乗り放題とか。」
「無事に帰ってこれるんですかそれは。」
「病院は、献血をしたら検尿し放題とか。」
「検尿にそれほど魅力を感じる人がいるのか。」
「ともかくも、このようにメリットがはっきりとわかるようにするのも献血率を上げる一つの方法ではあります。」
「まあそうですが。」
「しかしながら、そのような実利だけでは人は動きません。」
「そうですねえ。」
「ですから、もう少し名誉的なものにも着目すればよいかと思います。」
「たとえば血液のブランド化ですね。」
「ブランド？」
「今まで血液型や何やらしか区別のなかった血液にもっと様々な変化をくわえられるようにするのです。」
「様々な変化と言いますと。」
「たとえば特定の食事をとり、血液の味や風味に独特のものをつけるのです。」
「血液に風味？」
「そのようにそれぞれの血液の個性化を進めれば、自らの血液に対するアイデンティティが確立され、血液を生産、出荷することに喜びを感じるようになるのです。」
「農家じゃないんですから。」
「ちなみに大まかな傾向として、フランス血液は濃厚で、イタリア血液は軽やかな風味が特徴です。」
「飲む訳じゃないんですから。」
「スウェーデン血液はニシンの缶詰が腐ったようなにおいがします。」
「スウェーデン人を何だと思ってるんだ。」
「はい。」
「それを惜しんで、5月31日に『地下鉄で飲もう』という有志が集まり、大酒盛り大会を開いたそうです。」
「そんなに楽しみだったんですかね地下鉄で飲むのが。」
「6駅が一時閉鎖、逮捕者も17人出るというえらい騒ぎになったそうですが。」
「さすがはフーリガンの国だと。」
「しかしたばこに続き酒、となると次は何を禁止されるか。」
「冷凍みかんが禁止されれば前日には大冷凍みかんパーティーが。」
「なぜ禁止に。」
「食べ過ぎてお腹を冷やし、腹痛を訴える者が続出。」
「パーティにするからそんなことに。」
「しかし幸いにも隣で正露丸パーティーを行っていた団体によって事なきを。」
6月6日、ある日ない日。
