【これまでのあらすじ】 |
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そんなことはどうでもいいっ! |
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別にいいよっ! 赤の他人だしっ! |
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す、すまない、さすがに言い過ぎたよ。 |
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いいかげん社会性をもてっ! |
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お前が騒ぎ出したんじゃないかっ! | |||
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やめてください! |
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まあ。 そうですわ、私はマッケンゼン男爵の 一人娘、シャーリー、でしたわね。 |
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…実現性がないかわりに 犯罪性だけはあるストーリーは いいとして、 僕はマッケンゼン家の執事、 オーギュスト、だったね。 |
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ええと、名前は、ペーター・シュライヒャー、 |
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あっはっはっはは! 悪霊ですかあ!そうですかあっ! |
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はあいっ。 下下下下下働きー♪ |
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そりゃ我が大英帝国の王宮と比べれば 見劣りもするさ。ボヘミア国は中欧の 小国にすぎないんだからな。 |
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ホームズ…いえっ、エドガー先生! 私もドイツの貴族なのですわよ、 中欧やドイツの悪口はおやめくださいませ。 |
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うふふ、それにですわ、先生。 ボヘミア王家の悪口を言うと、 そのまま大英帝国の悪口にも なりますのよ。 |
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ご存知ありませんの? いまの大英帝国の王家、ハノーファー家は、 もともとドイツのハノーファーの選帝侯ですのよ。 そして、ボヘミア王家とも縁続きなのですわ。 なぜこのようなことになったかといいますと、 そもそもはエリザベス女王陛下の御世に 御子がなかったエリザベス女王陛下が 後継にスチュアート王家のジェームズ一世 陛下を指名なされたことに始まるのですわ。 そのジェームズ一世陛下の姫君、 エリザベス様がボヘミア王家に嫁がれ、 その姫君のソフィア様がハノーヴァー 選定侯家に嫁がれ、その御子の ジョージ一世陛下が、アン女王陛下の 後継に指名なされて、大英帝国の 玉座に就かれたのですわ。 そのジョージ一世陛下の御子が ジョージ二世陛下、 ジョージ二世陛下の 御子がプリンス・オヴ・ウェールズで あらせられたフレデリック・ルイス殿下、 そのフレデリック・ルイス殿下の御子が ジョージ三世陛下、その御子のケント公 エドワード殿下の御子が、ビクトリア女王陛下 なのですわ。 ですから、 ボヘミアの悪口をおっしゃるのは そっくりそのまま、ビクトリア女王陛下の悪口に なるのですわ。 |
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うふふふふふふふ! | |||
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…へどが出るわっ! | |||
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あっ! あれは… |
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ヴィルヘルム・ゴッツライヒ・ |
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王宮なんだから、 |
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あ、あの… | |||
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ヴィルヘルム・ゴッツライヒ・ ジギスモント・フォン・オルムシュタイン ボヘミア国皇太子殿下、 お初にお目にかかります。 ハノーファーのマッケンゼン男爵家の シャーリーと申します。 |
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ええ、とっても素敵な国ですわ。 町並みがたいへん美しいですし、 それに、 ヴィルヘルム・ゴッツライヒ・ ジギスモント・フォン・オルムシュタイン ボヘミア国皇太子殿下に お会いできましたし。 |
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まあっ。 |
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ありがとうございます、 ヴィルヘルム・ゴッツライヒ・ ジギスモント・フォン・オルムシュタイン ボヘミア国皇太子殿下…。 |
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素敵な方ですね、
ヴィルヘルム・ゴッツライヒ・ ジギスモント・フォン・オルムシュタイン ボヘミア国皇太子殿下…。 |
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高貴な方ですのに、 ちっとも厭味らしさを感じさせないで… |
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あれ? |
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い、いやですわペーター、 そんなこと、ありませんわよ。 |
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歯ぎしりのしすぎで |
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何を言っているかわからないよ。 |
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もう、なんだっていいよ。
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そうは言ってもずいぶん
かかりそうだよ。 |
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はあいっ! |
ようやくボヘミア宮廷にもぐりこんだ
ホームズ達!そろそろみんないやになってきている
ところだろうと思われますが、
つづく!