【これまでのあらすじ】 |
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そうかなあ。 |
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普通の人生であらすじに出くわすようなことは あんまりないんじゃないか。 |
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身につけるものかあらすじは。 |
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乱暴だなあ。 |
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君の言っていることは八割がた 支離滅裂だよ。 |
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誰? |
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いつの間に暴力路線に転向したんだ。 探偵らしく頭脳で勝負したらどうだね。 |
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この現代において暴力的な 解決というのは何ももたらさないからな。 |
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まあたしかに君の脳みそなど |
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なんだ奴というのは ヴィルヘルム・ゴッツライヒ・ ジギスモント・フォン・オルムシュタイン ボヘミア国皇太子のことか。 |
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自分自身の角に頭をぶつけるのも 器用な話だな。 |
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だからみんながみんな君みたいな 変態じゃないんだよ。 ホプキンス警部が宮廷の人々に気に入られた からこそ、皇太子主催のパーティーに呼ばれたり してるんだ。情報収集にはとても好都合じゃないか。 |
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そういえば、宮廷に潜入してから ずいぶんたつが、アドラー嬢の うわさすら聞かないな。 |
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だからハガキ職人なんだろ。 | ||
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考えたんだがね、ホームズ。 アドラー嬢の狙いは ヴィルヘルム・ゴッツライヒ・ ジギスモント・フォン・オルムシュタイン ボヘミア国皇太子の、ボヘミア国王戴冠と 関係があるかもしれないと思うんだよ。 |
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ハガキ職人というからには きっとなにかの演出も考えていると思うんだ。 一国の国王の戴冠式なんかは、 何かやるのに絶好の機会じゃないかね。 |
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国王の戴冠式となれば 全世界からの注目があつまるだろう、 世界中の新聞や雑誌のトップをかざる、 これこそハガキ職人の究極の夢なんじゃ ないのかね。 |
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…どう思うかね、ホームズ。 | |||
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聞いてるのか、ホームズ。 |
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おい。 |
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いいかげんにしろおっ! |
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黙って説明してやれば いい気になりやがって! |
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やかましいっ! 人がせっかくミステリらしい展開を しようというのに、その態度はなんだっ! |
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ぐほっ!げほっげほっげほっ、 |
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とにかく、戴冠式には何らかの警戒が 必要なんじゃないかね。 |
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ホームズさん!ホームズさん!
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無事ではありませんっ! たいへんなんです! |
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何で僕まで。 |
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ヴィルヘルム・ゴッツライヒ・ ジギスモント・フォン・オルムシュタイン ボヘミア国皇太子がっ! |
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いなくなったんですっ! |
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い、いなくなったって、どうしてっ!? |
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みんなが見てる前で
すうっと消えたんですっ! |
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おい、これは大事件だぞっ!
どうするホームズっ! |
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それは神に捧げるものじゃないっ! |
なんとヴィルヘルム・ゴッツライヒ・
ジギスモント・フォン・オルムシュタイン
ボヘミア国皇太子が!
はたしてヴィルヘルム・ゴッツライヒ・
ジギスモント・フォン・オルムシュタイン
ボヘミア国皇太子失踪の犯人は!?
つづく!