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}【これまでのあらすじ】
ある寒い日、ホームズは昔の事件を語り出した。
大学時代の同級生レジナルド・マスグレーヴに関する事件だ。
ある日、マスグレーヴはロンドンベイカー街にあるホームズの事務所を訪れた。
地方選出議員も務めるマスグレーヴ家の執事とメイドがいなくなったというのだ。
愛妻ホプキンス警部のお出かけのキスをうけたホームズは、西サセックスのハールストンにあるマスグレーヴ家の屋敷に到着し、カレーうどんをすするのだった。
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もう何が事件やら。 | |
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しかしそのカレーうどんが事件の重要な鍵となっていようとは、誰も気づいていなかったのだ。 |
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なんか前回言っていたような気がするぞ。 |
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そしてホームズは執事が、マスグレーヴ家に伝わるある儀式に興味を持っていたことを知るのだった。 | | |
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え? |
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その儀式の謎を解き、庭の木の下を掘ったところ、なんと謎の地下室への階段が発見されるのだった。
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え?あの?おいおい? |
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その階段の先には、あの紋章がきざまれた大きな石造りの扉が…
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待て待て待てッ! |
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前回言い伝えとか紋章とかそんな話があったか!?
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してないだろ。 |
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カレーうどんの話しかしてなかったぞ。 |
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覚えてるじゃないか。 | |
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なにしろ長い話だからな、所々はしょらないとやってられないわけだよ。
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だったらもっとはしょる場所があっただろうが。 |
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はしょりたい時にはしょる、それが近代的な自由人というものだよ。 |
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聞かされる側の人間には自由はないのか? |
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まあ、無理にとは言わないがな。 |
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あっさりしてるなあ。 |
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な、なんだいきなり。 |
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ふう、危ないところだった。まさかこんなところで奴に出くわすとは。
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待て待てっ!なんか間違ってないか!? |
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完全に混乱してるな。 |
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というよりもこれは、記憶と別次元の記憶がワームホールによってつながり、あらたな記憶の道を形成したのだと考えられる。 |
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うるせえよ。 |
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とりあえず僕がカレーうどんを食べていた頃まで話を戻そう。
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やれやれまたカレーうどんの話か。
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どうでもいいけど静かに食えよ。
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音で返事するな。
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しょうがないのかよ。 |
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いや、今のはどんぶりに残ったカレー汁をすすりきった音だ。 |
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どんな音だそれは。 |
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な、なんだい? |
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こ、これは!?
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「大いなる儀式を執り行う時、マスグレーヴの子孫よ、その前に光輝に満ちた宝が現れるだろう…」。 |
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ど、どういう意味なんだいこれは?
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まったく何のことだか…。
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うーむ宝か…。執事の失踪と何か関わりがありそうだな…。 |
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おい。 | |
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またはしょったな。
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じゃあどこにそんな儀式がどうのこうのとか言うメッセージがあったんだよ。
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ここ?
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そう!このカレーうどんの入っていたどんぶりの底さ! |
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何で今まで気づかないんだ、マスグレーヴはっ!! |
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しすぎだぞおい。 |
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ふむ。 |
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……。 |
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| 紋章のきざまれた大きな石造りの扉がある…か… |
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