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}【これまでのあらすじ】
ある寒い日、ホームズは昔の事件を語り出した。
大学時代の同級生レジナルド・マスグレーヴに関する事件だ。
ある日、マスグレーヴはロンドンベイカー街にあるホームズの事務所を訪れた。
地方選出議員も務めるマスグレーヴ家の執事とメイドがいなくなったというのだ。
愛妻ホプキンス警部のお出かけのキスをうけたホームズは、西サセックスのハールストンにあるマスグレーヴ家の屋敷に到着し、マスグレーヴ家に伝わる儀式の謎をあっという間に解き、地下室に入ると有毒ガスが満ちあふれているのだった。
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ガスかあ。 | |
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しかし、僕のとっさの機転により、ガスは見事取り払われた。 |
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どうやって? |
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つまり、ガスを全てカナリアに吸わせることにより、地下室からガスを取り除いたのだ。 | | |
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絶対にカナリアと違うだろう、その生き物。 |
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とにかくカナリアがガスを吸い取り、無毒化したことだけはゆるがせの出来ない事実だ。
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だからカナリアかどうかが問題なんだって。 |
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うーむ、ガスを吸ったカナリアというのはかなりコンパクトでいいな。
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なぜコンパクトになる。 |
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地下道?そんなに広いのか地下室は。
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まあ有毒ガスが出てきたりするぐらいだからな。 |
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いざとなればこのジュウシマツが毒を吸い取ってくれるから心配はないんだが。
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それもジュウシマツじゃないと思うぞ。 |
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この壁に金の燭台がある。昔はここにロウソクを立てていたんだろうな。 |
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そんなに頻繁に使うところだったのか。 | |
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どうしたんだいホームズ。 |
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この燭台に残っているロウソクは、大英帝国で普通に使われているものではないな…。 |
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そうなのかい? |
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香? |
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ということは? |
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ここが利用された時は、この地下室はインドっぽい臭いで満たされていただろうな。
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へええ。 |
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しかし、この地下室が作られた頃には、まだインドは大英帝国の植民地ではない…こういった香料は莫大な価格がしただろう…
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ふーん。そうなんだー。 |
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ホームズホームズ、つきあたりに扉があるよ。 |
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これはまた豪華な装飾だなあ。金の像…これはインドの神像だなあ。 |
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ずいぶんインドっぽい地下室だったんだね。 |
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じゃあ入るよー。
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待て待て待て、いったい中に何がいるかわからないんだ。ピストルの用意をしておけ。 |
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うんわかったよ。ええとこれだね。
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じゃ、開けるよー。
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ぐわあああああっ! |
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ズキューン! |
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ふう…まさかこんなところにジュウシマツがいるとは…。危ないところだった…
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やっぱり違うだろう。 |
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とりあえずジュウシマツの死体をカナリアに掃除させておこう。 |
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もう何がなにやら。
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さっきの扉にあった巨大な神像が立ち並んでいるね。
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燭台や香炉もあるな…何かの儀式に使われた部屋なのか…? |
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それにこのぼろぼろにさびたナイフ…
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そして大きな鍋…。 | |
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壁一面に並んだ有名人のサイン…
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……。
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テーブルの上に置かれた割り箸立て…
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付け合わせのらっきょうの瓶…。 |
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マンゴーチャツネの瓶… |
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そして…レジ… |
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……。 |
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| 何がまさかだっ!! |
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