ふたご1

「石やーきいも♪ほくほくの、あまーいあまーい、石を焼きつくすほど高温の、お芋はいかがですか。」


ふたご2

「そんな怪物質を街角で売らないでください。」


ふたご1

「第二次世界大戦時代のファシストイタリアの指導者であったことで知られるムッソリーニさんですが。」


ふたご2

「はい。」


ふたご1

「実は昔イギリスのスパイアルバイトをしていたということが明らかになったそうです。」


ふたご2

「スパイ?」


ふたご1

「第二次世界大戦の前に、第一次世界大戦があったことをご存じですか。」


ふたご2

「ご存じなくてもあっただろうと予想がつきますが。」


ふたご1

「そう、山口百恵の『プレイバック part2』があれば『プレイバック part1』があるように。」


ふたご2

「あったんですか。」


ふたご1

「ピンクの電話の『血液ガッタガタ part2』があれば、バラクーダーの『血液ガッタガタ』があるように。」


ふたご2

「もはやどっちもわかりませんが。」


ふたご1

「その第一次世界大戦中にイタリアは連合国側として、ドイツやオーストリア=ハンガリー帝国などと戦っていました。」


ふたご2

「はい。」


ふたご1

「しかしイタリアには一つ問題があったのです。」


ふたご2

「はあ。」


ふたご1

「それは戦争に弱いということです。」


ふたご2

「まあよく言われますが。」


ふたご1

「よく言われるのが、
将軍 『総統、イタリアが参戦しました』
ヒトラー 『では、一個師団を差し向けて撃退せよ。』
将軍 『違います総統、イタリアは我が軍の味方として参戦したのです』
ヒトラー 『何ッ!?では五個師団を救援として向かわせるのだ!』
というジョークです。 」


ふたご2

「一個師団で撃退できたり、護ってやらないといけないほど弱いということですね。」


ふたご1

「敵となると心強いが、味方となるとこれほど恐ろしい国は無いと言われていました。」


ふたご2

「アニメ化もされましたしね。」

ふたご1

「第一次世界大戦当時のイタリアは国境を接するオーストリア=ハンガリー帝国と戦っていたのですが、2年ほどの間特に勝利を挙げることも出来ませんでした。」


ふたご2

「意外と健闘している気がしてしまうのはなぜでしょうか。」


ふたご1

「しかし、1917年になってドイツ軍が軍をイタリア戦線に差し向けるとぼろぼろに負け始めます。」


ふたご2

「ドイツ様は強いことで知られますからね。」


ふたご1

「さすがに負けすぎると、イタリアが戦争を止めてしまうかも知れない。イタリアと同じ連合国のイギリスやフランスは心配になりました。」


ふたご2

「その分イギリスやフランスの負担が増えますからね。」


ふたご1

「そこでイタリア人が戦争をいやにならないように、マスコミを操作することを考えたのです。」


ふたご2

「なるほど。」


ふたご1

「当時イタリア社会党員兼ジャーナリストだったムッソリーニさんに資金援助を行い、戦意高揚のための新聞を書かせたのです。」


ふたご2

「へえ。」


ふたご1

「そんなムッソリーニさんがイタリアの独裁者となり、自分たちに襲いかかってくるとはなんという歴史の皮肉でしょうか。」


ふたご2

「皮肉ですねえ。」


ふたご1

「プロパガンダぐらいですますつもりなのに、その上敵に回ってくれるなんて。なんとお得なお買い物でしょうか。」


ふたご2

「そっちかよ。」


ふたご1

「このやさしさがムッソリーニさんを独裁者に押し上げたと言っても良いのではないでしょうか。」


ふたご2

「やさしいなら独裁すんな。」


ふたご1

「それは勘違いですよ。」


ふたご2

「は。」


ふたご1

「ムッソリーニさんは、以前受けた恩に報いるために独裁者になったのです。」


ふたご2
「どういうことですか。」

ふたご1

「ある日、行き倒れになったムッソリーニさん。すると一人の少年に助けられました。そして二人は将来の夢を語り合ったのです。」


ふたご2

「はあ。」


ふたご1

「少年が『僕、将来独裁者になりたいんだ。でも、やり方がよくわからなくて…』そううつむく少年に『よし、僕が独裁者になってみて、やり方を教えてあげるよ!』と言ったのです。」


ふたご2

「どういう夢だそれは。」


ふたご1

「その少年が後のヒトラーであり、そしていっしょに戦うことになるなどというのはなんという優しさでしょうか。」


ふたご2
「優しいなら味方で参戦しないでください。」

10月16日、優しさライセンス

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