ふたご1
「今、若者の車離れが叫ばれていると言うことは、昔には、若者の車密着が叫ばれていたのでしょうか。」
ふたご2
「何でもかんでも叫べばいいというものではありませんよ。」
ふたご1
「グローバル化を叫んだり叫ばなかったりする昨今ですが。」
ふたご2
「昨今ですか。」
ふたご1
「インドネシアのようなイスラム国では、西欧文化と伝統の摩擦が特に激しいようです。」
ふたご2
「イスラムだと戒律とのかねあいが厳しいですからねえ。」
ふたご1
「特にイスラムの勢力が強いアチェ州では、本土に比べてもさらに厳しい規制があるようです。」
ふたご2
「へええ。」
ふたご1
「このたびはバイクに関する規制が導入され、いろいろと議論がされているそうです。」
ふたご2
「なんですか。」
ふたご1
「それはバイクの二人乗りです。」
ふたご2
「二人乗りは危ないからと言うことですか。」
ふたご1
「いやそうではなくて。」
ふたご2
「なんですか。」
ふたご1
「女性と男性がバイクで二人乗りをすることなのですが。」
ふたご2
「はあ、男女が公共の場でそういうことをしてはいけないとかいうことですか。」
ふたご1
「いえそうではなくて。」
ふたご2
「ないんですか。」
ふたご1
「二人乗りの場合、女性が後ろの座席に座りますね。」
ふたご2
「はあ。」
ふたご1
「この時、女性が席にまたがって座ってはいけないという規制ができたのです。」
ふたご2
「じゃあどうやって座れと。」
ふたご1
「足をそろえて横座りになって座らないといけないそうです。」
ふたご2
「カーブとかで落ちそうで危ないですよ。」
ふたご1
「実際そうした批判の声も上がっているそうです。しかしながら、規制を行っている側もそれなりの社会的支持を受けているわけです。」
ふたご2
「まあそうかもしれませんが。」
ふたご1
「ここは、安全性と戒律を両立させうる新たな二人乗りの方法を考えなければなりません。」
ふたご2
「口で言うのは簡単ですけどねえ。」
ふたご1
「方法はある意味簡単です。」
ふたご2
「なんですか。」
ふたご1
「横座りがなぜ危ないかというと、反対側に曲がる時に踏ん張りがきかないからです。」
ふたご2
「まあ片方にしか足を出せませんからね。」
ふたご1
「そこで両側に足を出せばいいのです。」
ふたご2
「そうなるとまたぐ形になりますよ。」
ふたご1
「ですからまたがないように、片足だけを伸ばして。」
ふたご2
「いや伸びません。」
ふたご1
「ヨガとひとたび叫べば伸びるのではないですか。」
ふたご2
「この国はインドではなくてインドネシアです。」
ふたご1
「ただ、その方法がどうしても難しいという方の場合は。」
ふたご2
「可能な人はまずいません。」
ふたご1
「横座りになった人の背後に、もう一人横座りになった人を追加し、二人をひもで結ぶのです。」
ふたご2
「いやそれはもう二人乗りではなくて三人乗りじゃないですか。」
ふたご1
「タダこの体制だと後ろに加重がかかりすぎて、バランスを失う恐れがあります。」
ふたご2
「まあそうですが。」
ふたご1
「そこでバランスを取るために、ハンドルの上にもう一人乗ってもらいます。」
ふたご2
「さらに増えて四人乗りになったじゃないですか。」
ふたご1
「大丈夫です、地面の下には反対向きになった二人を乗せるので、差し引き二人乗りです。」
ふたご2
「マイナスの概念をよく分からないことに使わないでいただきたい。」
1月4日、自転車・自動車の0人乗り以下は法律で禁じられています