ふたご1

「お客様の中にお医者様はいらっしゃいませんか!?わたしの頭の中にはいます!」


ふたご2

「早くほんとうのお医者様に逢った方がいいね。」


ふたご1

「ドイツのメルケル首相ですが。」


ふたご2
「はい。」

ふたご1

「若い頃に東ドイツの諜報組織『シュタージ』に勧誘されたことがあるそうです。」


ふたご2

「あるのか。」


ふたご1

「でも、その時に『私はおしゃべりだから向いていない』と断ったので、スパイにならずにすんだそうです。」


ふたご2
「よくむこうが無事に返してくれましたね。」
ふたご1

「それは断り方が良かったのだと思います。」


ふたご2

「断り方?」


ふたご1

「それはやはり、ドイツと言えば質実剛健な国。職人気質の寡黙な方が多いです。」


ふたご2

「イメージ的にはそうかも知れませんが。」


ふたご1

「ですからおしゃべりの人がたまに現れると、ヒトラーがドイツを掌握したようなことになってしまうのです。」


ふたご2

「そうなんですかねえ。」


ふたご1

「だから、『おしゃべり』のメルケル首相を敵に回しては、シュタージ自体の生存が危うくなると警戒したのでしょう。」


ふたご2

「なるのかなあ。」


ふたご1

「私たちとしても他人事ではありません。」


ふたご2

「そうなんですか?」


ふたご1

「いつどこでスパイに勧誘されるかわかりません。」


ふたご2

「どこで勧誘されるかの見当もつかないですが。」


ふたご1

「ですから今日は皆さんに、スパイに勧誘されても穏便に済ませる断り方をお教えしましょう。」


ふたご2

「ぜひにとはいいませんがおねがいします。」

ふたご1

「まず言いがちなのが、『スパイなんて汚いまねができるか!』です。」


ふたご2

「熱いですね。」


ふたご1

「しかしこれはいけません。こういうことを言ってしまうと、だいたい相手はあなたの娘さんを誘拐にかかります。そして嫌々いうことを聞くはめに…」


ふたご2

「ありがちな展開ですね。」


ふたご1

「これではいけません。同じスパイをやるなら楽しくやったほうがいいに決まってます。」


ふたご2

「断り方の話じゃなかったですか。」


ふたご1

「気が変わった時に気まずいじゃないですか。」


ふたご2

「スパイを軽々しく考えすぎです。」


ふたご1

「ですから『ちょっと今忙しいので』ということでだいたい大丈夫です。」


ふたご2

「またえらく無難な。」


ふたご1

「しかし、相手はスパイですので、『そんなに忙しくないじゃないか』『毎日レンタルビデオ屋に行っているじゃないか』『別のチャンネルで同じCMが流れているのを見つけるのが唯一の生き甲斐じゃないか』と見抜かれてしまうかもしれません。」


ふたご2

「どれだけ味気ない生き方なのだ。」


ふたご1

「ですから『スパイアレルギーなんです』と言ってみることにしましょう。」


ふたご2

「なんですかスパイアレルギーって。」


ふたご1

「スパイになることに対して体が強い拒否反応を示し、だるさ、ねむけ、悪寒を感じるという奇病です。」


ふたご2

「あるんですかそんな病気。」


ふたご1

「相手もプロですから、そういう核心を突いた質問をしてくる可能性もあります。」


ふたご2

「やっぱり無いのか。」


ふたご1

「そこで『スパイになるとスパイ最中が食べ放題なんでしょ?くださいよねえくださいよ』と迫ってみます。」


ふたご2
「なんですかスパイ最中って。」

ふたご1

「スパイに対して支給されるという、お茶請けに最適の甘さひかえめの最中です(大納言小豆使用)。」


ふたご2

「無いでしょうそんな最中。」


ふたご1

「相手もスパイですから、そういったところが見抜かれてしまう可能性はあります。」


ふたご2

「やっぱり無いのか。」


ふたご1

「ですので、『スパイになりたくありませんロールケーキ』を出して、穏便に引き取ってもらいましょう。」


ふたご2
「穏便になるかそんなケーキ。」

5月22日、余り物は別腹。

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