ふたご1

「こんにちは!西川きよしです!!では僕の曲、『子供が山林焼きますねん!』お聞きください!」


ふたご2

「弘志も忠志もかの子も織田信長ではありません。」


ふたご1

「クーデターで大統領が国外追放されたホンジュラスですが。」


ふたご2

「はい。」

ふたご1

「大統領が一瞬帰国したそうです。」


ふたご2

「一瞬?」


ふたご1

「隣国ニカラグアから、国境地帯で数歩ほど足を踏み入れたそうです。」


ふたご2
「それだけなんですか。」
ふたご1

「大統領としては帰国する意思があるぞというパフォーマンスだったそうです。」


ふたご2

「でも一瞬だけではねえ。」


ふたご1

「そうはいっても、ホンジュラス国内はクーデター派によって完全に支配されていますので、本格的な帰国は難しいです。」


ふたご2

「そりゃそうです。」


ふたご1

「ですから大統領としてもこうした既成事実の積み重ねで、大統領への復帰を狙っているのでしょう。」


ふたご2

「既成事実って言っても数歩入っただけじゃないですか。」


ふたご1

「数歩入ったら、次は数歩+1歩と増やしていくのです。」


ふたご2

「その内逮捕されますよ。」


ふたご1

「そのギリギリを見切るのがたまらないスリル、いえ、政治の駆け引きというものです。」


ふたご2

「スリル?」


ふたご1

「ある程度の距離を歩いて入れるようになったら、今度は長い間滞在できるようにチャレンジです。」


ふたご2

「今度こそ逮捕されますよ。」


ふたご1

「まずはホンジュラス側に足を高く上げて、何時間ホンジュラスに滞在できるかを調べてみます。」


ふたご2

「小学生が机の上に国境を曳いて『空中セーフ』とか言ってるんじゃないんですからね。」

ふたご1

「実際には領空の概念がありますので、小学生のようなわけにはいきません。」


ふたご2

「そりゃそうです。」


ふたご1

「ですから、陸軍なり国境警備隊成が来たら、『空中の管轄は空軍の仕事だろう』と空軍にチクって、軍内部をぎくしゃくさせます。」


ふたご2

「するなよ軍。」


ふたご1

「そうして何時間も何日もいられることがわかったら、次はドキドキの初めてのお泊まりに挑戦です。」


ふたご2

「ドキドキ?」


ふたご1

「国境地帯にテントを張って、国境警備隊が来たら『うわっ!国境警備隊が来た!寝たふりしろ!』と消灯するわけです。」


ふたご2

「修学旅行気分か。」


ふたご1

「ばれてしまうと正座は免れないでしょう。」


ふたご2

「それより逮捕されると思いますが。」


ふたご1

「そのあたりを見極めるのもたまらない興奮なわけです。」


ふたご2

「完全な娯楽になってませんか。」


ふたご1

「せっかく国外追放されたんだから、これを楽しまないでどうするんですか!」


ふたご2

「その前にされるんじゃない国外追放。」


ふたご1

「刀剣類の保護・鑑定を行う日本美術刀剣協会の収納庫から、日本刀が発見されたそうです。」


ふたご2

「そりゃあるでしょう。」


ふたご1

「それがなんと600振も。」


ふたご2

「まあそれぐらいもあるんじゃないですか。」


ふたご1

「問題なのは、どれもこれも所有者がわからないということです。」


ふたご2
「それを先に言ってください。」

ふたご1

「まあ、それは類は友を呼ぶということで集まってきたのでしょうが。」


ふたご2

「軽く流すなよ。」


ふたご1

「しかしなぜ今まで美術刀剣協会の人が気づかなかったのかという問題があります。」


ふたご2

「まあそれはそうでしょうが。」


ふたご1

「しかしそれも、普段から日本刀を身近に感じている人たちですから、ちょっと破れた障子に日本刀を貼って修繕したり、割れたガラスの補強に日本刀を貼って使っていたからと考えれば、不思議でもありませんが。」


ふたご2
「いちど不思議という言葉の意味を再発見してください。」

7月31日、あらこんなところに村正が。

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