ふたご1

「ブーメラン!ブーメラン!!きっと〜何かに当たったらあなたは戻ってこないだろう〜」


ふたご2

「ゼルダの伝説に対する大いなるアンチテーゼですね。」


ふたご1

「インフレで有名なジンバブエですが。」


ふたご2
「えらいことで有名になったものですが。」

ふたご1

「国家元首はかれこれ20年ぐらい大統領のムガベ大統領です。」


ふたご2

「長いですねえ。」


ふたご1

「まあアフリカの独裁者にしては短い方です。」


ふたご2
「前提がすでにおかしいです。」
ふたご1

「すでに84歳と高齢なのですが、ガボンのオンディンバ大統領が継続中の42年の記録を塗り替えるべく日々奮闘しています。」


ふたご2

「奮闘されてもなあ。」


ふたご1

「そのために奥さんの年齢も、オンディンバ大統領の任期より一つ多い43歳です。」


ふたご2

「来年になったら44歳と43年でしょうが。」


ふたご1

「そんなムガベ大統領の奥さん、グレース夫人が香港で大変なことをしてしまったようです。」


ふたご2

「なんですか。」


ふたご1

「グレース夫人を撮影しようとしたカメラマンをボディーガードに押さえつけさせ、顔面を十数発殴ったということです。」


ふたご2

「わあバイオレンス。」


ふたご1

「まあ夫人もそうとうイライラしていたのだとは思いますが。」


ふたご2

「それにしてもねえ。」


ふたご1

「なにしろ本国ジンバブエでは天文学的なインフレが発生し、朝の値段では昼になったら買えないというほどです。そんなジンバブエを脱出して香港でショッピングを楽しみに来たというのに、カメラマンにしつこくつきまとわれては。」


ふたご2

「あんたの旦那のせいだろうが。」


ふたご1

「しかもですよ、もし変な写真を撮られると、政権もダメージを受ける可能性があります。」


ふたご2
「でも独裁国家だから、公表される心配はないんでは。」

ふたご1

「いえ、かつてのソ連でもゴルバチョフ書記長夫人がカードで買い物する姿の写真が撮られ、国内で極秘裏に流通したことがあります。いくら独裁国家でも、完全に情報を封じるのは困難です。」


ふたご2

「でも殴ってる写真だったらもっと危ないでしょう。」


ふたご1

「ですから独裁者の夫人の方も、これから先はもっと配慮してカメラマンを暴行する方法を考えるべきです。」


ふたご2

「暴行はするのか。」


ふたご1

「幸い、買い物をする先は香港です。土地柄を生かして、カンフー的な暴行をすれば『大統領夫人かっこいい』という声も出てくるというもの。」


ふたご2

「出てきますか?」


ふたご1

「ですからこれからの独裁者夫人はつねにヌンチャクや先がささくれ立つ竹竿や蹴った後に迫力が出るように、カメラマンの衣服に仕込む粉などを常に持ち歩いていなければ成りません。」


ふたご2

「そんなものを携行していることがすでにおかしいですが。」


ふたご1

「それを撮影しようとしたカメラマンにキック!」


ふたご2

「するなよ。」


ふたご1

「そして高級レストランでワインをひっかけてパンチ!」


ふたご2

「酔拳か。」


ふたご1

「さらに高級ブランドショップで、ロゴ入り豪華ジュエリー付き三節棍でアタック!!」


ふたご2

「何を売ってるのか香港。」


ふたご1

「ブリュッセルの欧州委員会本部で展示された芸術作品が問題となっているそうです。」


ふたご2

「なんですか。」


ふたご1

「チェコの芸術家が作成したものなのですが、EU加盟国を一つ一つモチーフにした作品なのです。」


ふたご2

「はいそれが。」


ふたご1

「ブルガリアの象徴として、便器をモチーフにしてしまったのです。」


ふたご2
「それはブルガリアの人も怒るでしょう。」

ふたご1

「私がやったなら、確実にヨーグルトにしたはずですが。」


ふたご2

「貧困なイメージですね。」


ふたご1

「その他にも、ルクセンブルクには『売り出し中』と書かれたり、フランスには『ストライキ』と書かれたりといろいろ失礼な面があるようです。」


ふたご2

「風刺しますねえ。」


ふたご1

「私が作ったなら、だいたいの国には『どこにあるかわからない』と書いてお茶を濁すというのに。」


ふたご2
「そんな人が作ろうと思い立たないでください。」

1月23日、週刊芸術でつくるヨーロッパ(デアゴスティーニ)。

SAKANAFISHホームへ