ふたご1

「地上波アナログ放送は、2011年7月24日をもって、放送から卒業します!」


ふたご2

「どこで第二の人生を始めるつもりだ。」


ふたご1

「みなさん、鉄分とってますか。」


ふたご2

「なんですかいきなり。」


ふたご1

「鉄分をとらないと貧血になりますよ。」


ふたご2

「まあ貧血気味の方は気をつけて欲しいですね。」


ふたご1

「血が足りないと立ちくらみします。」


ふたご2

「そうですねえ。」


ふたご1

「すると地面に倒れてしまいます。」


ふたご2

「はあ。」


ふたご1

「すると、立っているときに比べて、チスイコウモリが血を吸うためには、余計な距離を飛ばねばならなくなるではないですか。」


ふたご2

「何の配慮だそれは。」


ふたご1

「そんなこんなでチスイコウモリです。」


ふたご2

「どんなこんなだ。」


ふたご1

「チスイコウモリとはいいますが、正式にはナミチスイコウモリと言います。」


ふたご2

「ナミなんですか。」


ふたご1

「チスイコウモリ属はナミチスイコウモリ一種のみなので、ナミと言っても特上ぐらいの価値はあります。」


ふたご2

「そういうことを言っていると、波のような模様があるからナミチスイコウモリだというような命名秘話に足を取られますよ。」


ふたご1

「ナミチスイコウモリは、家畜や人の血管を食い破り、そこから血を吸います。」


ふたご2

「あまり近づきたくないですねえ。」


ふたご1

「ですが、なぜナミチスイコウモリは血液があるところを見つけるのか。それは今まで大きな謎でした。」


ふたご2

「そういえば血管が通っているところはわかりにくいですからねえ。」

ふたご1

「しかしこのたび、カーネギー研究所の研究チームが、ナミチスイコウモリの血管発見方法を解明いたしました。」


ふたご2

「ほほう。」


ふたご1

「ナミチスイコウモリには温度を感じ取る器官があり、その働きで他の部分より血流が多く、温度が高い血管部分を狙うことができるのです。」


ふたご2

「ヘビにも似たような器官がありましたねえ。」


ふたご1

「この器官の研究が進めば、人間にとって大きな進歩となるかもしれません。」


ふたご2

「そうなんですかねえ。」


ふたご1

「たとえば刑事にこれをつければ。」


ふたご2

「刑事?」


ふたご1

「この器官でたちどころに布団の温度を測り、犯人がまだ遠くに行っていないかどうかを瞬時に判断できます。」


ふたご2

「地味なシーンだなあ。」


ふたご1

「さらに電車に乗る際には、前の人のぬくもりが残っていて、なんかいやな感じになるあれを回避することが出来ます。」


ふたご2

「やはり地味だなあ。」


ふたご1

「こんなにすばらしいのに?」


ふたご2

「すばらしさが全く伝わってきません 。」


ふたご1

「ああ、このすばらしさを感じ取る器官が貴様から生えてくればいいのに。」


ふたご2

「とてもいやです。」


ふたご1

「しかし、生物というのは強い欲求を持つ事で体の一部が進化するのです。だからあなたが素晴らしさを強く求めるなら、すばらしさ器官が生えるように進化するはずです。」


ふたご2

「そんな進化の可能性なら捨ててしまいたいです。」


ふたご1

「だから現代人もやがて、強く求めるものを発見する器官が発達していくのでしょう。」


ふたご2
「そうなんですかねえ。」

ふたご1

「現代人が求めているものといえば、金。」


ふたご2

「見もふたもない。」


ふたご1

「やがて金をすばやく見つける器官が発達した人類が生まれるでしょう。」


ふたご2

「やな未来だなあ。」


ふたご1

「つまり、タイムマシンで未来からやってきた私の子孫が、昨日落とした私の財布を見つけ出してくれると考えても、なんら不合理ではないのです…。」


ふたご2
「現代の警察に行け。」

8月5日、。

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