ふたご1

「くっ、この俺に明けましておめでとうと言わせたのは、お前が初めてだぜ…」


ふたご2

「というかお前に問題があるなかなり。」


ふたご1

「近年治安の悪化が問題となっているとも言われているドイツですが。」


ふたご2

「いずこも同じですねえ。」


ふたご1

「特にポーランド人窃盗団によるとされる車の窃盗が相次いでいると報道されています 。」


ふたご2

「そうなんですか。」


ふたご1

「シェンゲン協定によりポーランドとドイツの国境通過が自由化されて以降、ドイツでは車の窃盗事件が3.5倍になるという急成長ぶり。」


ふたご2

「うーんそれはすごい。」


ふたご1

「しかしながらポーランド側は、ポーランド人のせいとされることに不満のようです。」


ふたご2

「まあそりゃそうですが。」


ふたご1

「そのため駐独ポーランド大使が車泥棒が多発しているのはドイツ側の対策が出来ていないせいだと発言して大問題に。」


ふたご2

「あらまあ。」


ふたご1

「大使はポーランドにおける車盗難被害が10年で10分の1に激減したとポーランド側の取り組みが優れていることを強調しています。」


ふたご2

「うーん。」


ふたご1

「どうかしましたか。」


ふたご2

「それはポーランド国内にいた窃盗団が、ドイツで盗むようになったからポーランド国内の盗難件数が減ったということでは…。」


ふたご1

「それは下衆の勘ぐりです。」


ふたご2

「そうなんですかねえ。」


ふたご1

「世界的に有名なドイツの自動車のほうが、世界的にはマイナーなポーランド車よりも高く売れるからドイツで盗むようになったとかそんなことはありません。」


ふたご2

「ずいぶんとあなたも下衆なようで。」


ふたご1

「これはひとえにポーランドの防犯対策がしっかりしているためです。」


ふたご2

「じゃあ、まあそういうことで。」

ふたご1

「これは是非日本でも見習うべきだと思います。」


ふたご2

「一体どういう方法なんですか。」


ふたご1

「1939年のことです。」


ふたご2

「は。」


ふたご1

「突如国境をこえてポーランド国内に進撃してきたナチス・ドイツ軍。これに立ち向かうポーランド軍は第一次世界大戦時の精強さで知られ、ある程度持ちこたえることが可能であると見られていました。しかし、一ヶ月とたたないうちに全土は占領下に…。」


ふたご2

「はあ。」


ふたご1

「これは、ソ連軍も侵攻を行ったということだけではなく、ドイツ軍の戦術が優れていたからだといわれています。」


ふたご2

「はあ。」


ふたご1

「中でも、騎兵を重視していたポーランド軍に対して、ドイツ軍は戦車を重視していました。」


ふたご2

「ははあ。」


ふたご1

「戦車は強力な装甲と砲、そして何より高い機動性を持っていました。」


ふたご2

「はあ。」


ふたご1

「敗北の憂き目を見たポーランド軍人は対戦車について考察するようになりました。」


ふたご2

「はあ。」


ふたご1

「そんな戦車の弱点のひとつが明らかになるのが、同じ第二次世界大戦の最中でした。」


ふたご2

「なんですか。」


ふたご1

「ソ連に攻め入ったドイツの戦車軍団。しかし、春先や晩秋に発生する泥やぬかるみは、戦車のキャタピラにまとわりつき、たちまち機動性を奪ってしまったのです。」


ふたご2

「はあ。」


ふたご1

「ポーランド軍人は理解しました。高い機動性を止めるには泥が有効であると。」


ふたご2
「まあそうかもしれませんが。」

ふたご1

「翻ってみてどうでしょうか。車泥棒が容易なのは、盗んだ後に車を運転すればあっという間に逃走できるからです。つまり、車泥棒の問題点のひとつが、車の高い機動性です。」


ふたご2

「まさか道路を泥だらけにして車が動けないようにするとか言いませんか。」


ふたご1

「さすがにそんなことをすれば車の利便性が損なわれます。」


ふたご2

「そりゃそうです。」


ふたご1

「ですから泥だらけにしたのは車窃盗団のアジトのまわりだけです。」


ふたご2
「とりあえず引っ越せ窃盗団。」

1月13日、山野愛子どろんこ窃盗団。

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