ふたご1
「毎日毎日僕らは比叡山の上で焼かれて嫌になっちゃうよ」
ふたご2
「いくら信長さんでも毎日焼き討ちはちょっと。」
ふたご1
「東洋の陶器会社であるところでおなじみのTOTOですが。」
ふたご2
「東洋製陶ですからね。」
ふたご1
「このたび新しい便器を日本に導入したそうです。」
ふたご2
「新しいって何ですか」
ふたご1
「その名も水を使わない小便器です。」
ふたご2
「水をつかわないとなんだか不潔そうですが。」
ふたご1
「いえ、特殊な物質を通すことで、尿の不純物を取り去って下水に流せるそうです。」
ふたご2
「へえ。」
ふたご1
「この水なし小便器は西洋ではすでに取り入れられており、CO2排出量やコストも減って好評だそうです。」
ふたご2
「へえ。」
ふたご1
「この分野ではコンポストトイレというのがありまして、水で流さず微生物で分解する仕組みのトイレもすでに存在しています。」
ふたご2
「日本ではあまり目にしませんね。」
ふたご1
「日本では水資源が豊富な上に、上下水道が発達しておりまして、水で流すということが簡単だったからですね。」
ふたご2
「なるほど、水が貴重品の地域も多いですからね。」
ふたご1
「つまり水があるということが、こうした発想をかえって遮ってしまったということです。」
ふたご2
「はあそうなんですかねえ。」
ふたご1
「ということはですね、普通いっぱいある物を、無いものとして考えれば、新たなイノヴェーションが生み出せるのではないかと。」
ふたご2
「そういうものですかねえ。」
ふたご1
「たとえばスマートフォン市場です。」
ふたご2
「なんですか。」
ふたご1
「スマートフォン市場で、いっぱいあって当然だと思われている物とは何だと思いますか。」
ふたご2
「なんですかねえ。通信速度とかですかねえ。」
ふたご1
「違います。」
ふたご2
「何ですか正解は。」
ふたご1
「それは時間です。」
ふたご2
「時間?」
ふたご1
「スマホをいじったり、アプリで遊んだりするそういう時間です。」
ふたご2
「いやまあそりゃ時間はたつでしょうが。」
ふたご1
「中でも重要なのが。」
ふたご2
「なんですか。」
ふたご1
「皮脂で汚れたスマホの表面をキレイにする時間です。」
ふたご2
「いやまあそれはたしかにありますが。」
ふたご1
「人間が人生の3分の1を睡眠で過ごすように、スマホ人生の三分の一は画面をふくことで費やされると言います。」
ふたご2
「それは確実に言いすぎです。」
ふたご1
「つまり時間が足りないということを前提にして様々な物が設計されればいいのです。」
ふたご2
「はあたとえばどんな風に。」
ふたご1
「まずアプリですが、ゲームとかありますね。これはもう起動した瞬間にエンディングを見せる仕様でお願いします。」
ふたご2
「うわあ。」
ふたご1
「そしてツイッターやフェイスブックとの連携ですが、接続した瞬間に不穏当な発言をして炎上させ、すっぱりと手を引ける機能もつけましょう。」
ふたご2
「これはひどい。」
ふたご1
「そして最難関の皮脂問題ですが。」
ふたご2
「これはさすがにどうしようもないでしょう。」
ふたご1
「かなり困難ですね、エジプトを考えなければ。」
ふたご2
「エジプト?」
ふたご1
「そう、ミイラ男をよみがえらせ、かさかさの彼に操作させれば皮脂がつくことはありません!」
ふたご2
「のろいとかそんなのがついておりますが。」
11月9日、スマハ(スマートファラオの略)br/>