ふたご1 |
「所詮俺達は、政府の犬、いや、政府の妹的存在に過ぎないんだ!」 |
ふたご2 |
「とりあえず兄妹仲良くしてください。」 |
ふたご1 |
「なにかとドイツな事で知られるドイツですが。」
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ふたご2 | 「ドイツですね。」 |
ふたご1 |
「ヨーロッパの政界での波が押し寄せているようで。」
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ふたご2 |
「なんですか。」 |
ふたご1 |
「日本語だと珍しい名前の党が躍進しているそうです。」 |
ふたご2 | 「珍しい名前ですか。」 |
ふたご1 |
「その名前も海賊党です。」 |
ふたご2 | 「海賊王にでもなるのですか。」 |
ふたご1 | 「いえいえ、いわゆるインターネット上の自由を訴える運動で、スウェーデンあたりが運動の発祥地だそうです。」 |
ふたご2 | 「なるほどバイキングの国ですね。」 |
ふたご1 |
「最近のご時世により、海賊党はヨーロッパを中心に広まり、ドイツにもあるのですが、それがこのたびの地方選挙で大躍進しまして。」 |
ふたご2 | 「ははあ。」 |
ふたご1 | 「なんと支持率が第三党になったといいます。」 |
ふたご2 | 「それはすごいですねえ。」 |
ふたご1 |
「ですがこの事務局長がこの躍進ぶりを例えてしまったのが問題になりました。」 |
ふたご2 |
「たとえ?」 |
ふたご1 |
「『我が党の躍進はナチス党の躍進と似ている』と。」 |
ふたご2 |
「うへい。」 |
ふたご1 |
「ナチスと言えばあれこれやらかしてしまった党として知られています。」 |
ふたご2 | 「まあやらかしましたねえ。」 |
ふたご1 |
「それと自分たちを重ねると言うことをやらかしてしまった海賊党はえらいこと言われているようです。」 |
ふたご2 | 「まあしかたないですかねえ。」 |
ふたご1 |
「やはりもうちょっと別の物に例えるべきでしたね。」 |
ふたご2 |
「別のものですか。」 |
ふたご1 |
「海賊で党なのですから、現在の佐賀県・長崎県あたりの海賊、松浦党ぐらい成長したとか。」 |
ふたご2 | 「ドイツ人がピンと来ないことおびただしいですね。」 |
ふたご1 |
「松浦党なら、海賊から、大名になり、伯爵になるまでわずか900年!」 |
ふたご2 |
「時間のかかる躍進だなあ。」 |
ふたご1 | 「では早い躍進を。」 |
ふたご2 |
「そっちでおねがいします。」 |
ふたご1 |
「腸炎ビブリオ菌は1個の細菌が、4時間後には十数万にまで大躍進するといいます。」 |
ふたご2 | 「どこの世界に自分の党を食中毒菌に例える奴がいますか。」 |
ふたご1 |
「海賊というのは一般の常識が通用しない相手なんですよ?」 |
ふたご2 | 「それぐらいの常識は通用しないと、海賊としてもやっていけません。」 |
ふたご1 |
「じゃあ何菌ならいいんですか。」 |
ふたご2 |
「菌の時点でだめです。」 |
ふたご1 |
「じゃあドイツらしいもので。」 |
ふたご2 |
「それがいいです。」 |
ふたご1 |
「ビール酵母破砕的な温度では2時間で約二倍になるという躍進を。」 |
ふたご2 |
「菌と同じだ。」 |
ふたご1 |
「酵母は細菌ではなくて真菌の仲間であってですね。」 |
ふたご2 |
「やかましい。」 |
ふたご1 |
「むしろキノコやカビや水虫に近いというか。」 |
ふたご2 |
「それはそれで悪い。」 |
ふたご1 | 「つまり細菌よりは海賊に近いというわけで。」 |
ふたご2 | 「海賊とはなんだというのだ。」 |
4月27日、ドイツ無政府主義ポゴ党 |