ふたご1
「おまえの考え方は論語読みの論語知らず、タウンページ読みのタウンページ知らずだ!」
ふたご2
「屈折した物知らずだなあ。」
ふたご1
「日常生活でありがちなことってありますね。」
ふたご2
「ありがちですからね。」
ふたご1
「たとえば割り箸がきれいに割れなかったりすることってありますね。」
ふたご2
「最近はあんまりない気もしますが。」
ふたご1
「見えないところで技術革新が進んでいますからね。」
ふたご2
「気づきませんでしたがそうですか。」
ふたご1
「こういったことがパソコンをつなぐLANケーブルにもあります。」
ふたご2
「電話とつなぐあれですか。」
ふたご1
「あの差し込みに使うプラグ部分にあるプラスチックの爪。」
ふたご2
「引き抜くときには押すやつですね。」
ふたご1
「この爪が折れやすいとひどく不評でした。」
ふたご2
「折れると固定もしにくいし抜きにくいとたいへんですねえ。」
ふたご1
「しかしこのほどバッファローが爪が折れにくいLANケーブルシリーズを発売しました。」
ふたご2
「ほう。」
ふたご1
「爪に特殊なプラスチックを使っており、なんと180度曲げても折れないそうです。」
ふたご2
「それはすごいですねえ。」
ふたご1
「今までLANケーブルの爪は折れる物だと考えていた抜き差し業界に大きな衝撃です。」
ふたご2
「やな業界だな抜き差し業界。」
ふたご1
「ということはですよ。」
ふたご2
「なんですか。」
ふたご1
「LANケーブルの爪は折れる物だという考えのように、利用者の側が「仕方がない」とあきらめている不都合も、今後の技術開発で改善されていくかもしれません。」
ふたご2
「まあそれを見つけるのは大変なんでしょうが。」
ふたご1
「私そういう例をいくつか持っておりまして、企業の方のヒントになればと思っております。」
ふたご2
「そうですか。ではどうぞ。」
ふたご1
「たとえば、リモコンです。」
ふたご2
「リモコンですか。」
ふたご1
「いざ操作しようとすると、なかなか見つからない。」
ふたご2
「まあそれは仕方ないんじゃないですか。」
ふたご1
「そこです。」
ふたご2
「ここでしたか。」
ふたご1
「なくすのはあたりまえだ。この既成概念。ここにヴィジネスチャンスがあるわけですよ。」
ふたご2
「Businessですからヴィと発音しなくていいですよ。」
ふたご1
「これが簡単な工夫によって、なくさなくすることができるのです。」
ふたご2
「はあいったいどういう工夫で。」
ふたご1
「これがリモコンにちょっとしたものをつけるだけです。」
ふたご2
「ちょっとしたもの?」
ふたご1
「これをつけるだけで、家中のどこにおいても、必ず定位置に戻っているという仕組みです。」
ふたご2
「それはすごいですねえ。何をつけるんですか。」
ふたご1
「甘みです。」
ふたご2
「は。」
ふたご1
「リモコンに甘みをつけることによって、家のどこにおいていても甘みを感知したアリが、定位置まで運んでくれるわけです。」
ふたご2
「定位置ってアリの巣か。」
ふたご1
「ただ、ちょっとアリまみれになるのが難点ですが。」
ふたご2
「難点すぎる。」
ふたご1
「ほかにも屍肉の風味をつけることで、コンドルが定位置まで運んでくれる方式もあります。」
ふたご2
「そんなメキシコの荒野のようなリビングに住んでいません。」
8月24日、意外とハイエナも