ふたご1
「…報酬はスイス銀行に振り込んでおいてくれ…。もしよければ…ドイツ銀行にも…できれば…バヌアツ銀行にも…」
ふたご2
「預金通帳のコレクターか何かですか。」
ふたご1
「あなたは料理で一体何が必要だと考えますか。」
ふたご2
「なんですかいきなり。」
ふたご1
「料理に愛情があればいいという風潮が、一部に存在します。」
ふたご2
「そうなんですかねえ。」
ふたご1
「しかしながら、現代社会は大量生産、大量消費の時代です。」
ふたご2
「まあそうもいいますが。」
ふたご1
「料理もまた例外ではありません。大量に生産され、大量に消費され、閉店間際には半額のシールが貼られるのです。」
ふたご2
「それはスーパーの食品売り場ですね。」
ふたご1
「しかしこれら料理の一つ一つに制作者が愛を込めていたとしたらどうでしょうか。」
ふたご2
「こめられるんですかねえ。」
ふたご1
「愛が500円…いや、250円で買えると言うことになってしまうではないですか!」
ふたご2
「ああ、半額ですか。」
ふたご1
「愛はそんなに安いもんじゃないはずです。せめて1500円…いや750円ぐらいはするはずです!」
ふたご2
「ああ高級スーパーですね。」
ふたご1
「そういうわけで、料理にとって一番重要なのは愛情ではありません。」
ふたご2
「まったくよくわけがわかりません。」
ふたご1
「つまり料理に必要なのは…」
ふたご2
「なんですか。」
ふたご1
「おいしさなのです!」
ふたご2
「なんという当たり前な結論。」
ふたご1
「料理がおいしければ、半額のシールを貼る前に売り切れるでしょうし、昼間にランチメニューを作ったり、寿司屋なのにカツカレーを売ったりせずにすむのです。」
ふたご2
「確かにそんな店もありますけども。」
ふたご1
「そんな日本の料理をおいしくさせるために日夜取り組んできた企業、それが味の素です。」
ふたご2
「まあおいしさの会社ですけども。」
ふたご1
「味の素はおいしさの粉である味の素を振りかけることによっておいしくするという、当時の発想の裏を就いたことで大成功しました。」
ふたご2
「あちこちにありますからねえ。」
ふたご1
「しかしながら、現在では味の素を使った料理はダメだという風潮が一部にあるのも事実です。」
ふたご2
「美味しんぼとかもそうですねえ。」
ふたご1
「これらの発想の裏には、素材が大切だという伝統的な料理の考え方があります。」
ふたご2
「それは当たり前なんじゃないですか。」
ふたご1
「それが古い発想です。」
ふたご2
「古くてもいいと思いますがねえ。」
ふたご1
「思い返してみてください、味の素は今までの常識を裏切ることで料理の世界に革命をもたらしてきたのですよ。」
ふたご2
「はあ。」
ふたご1
「つまり、料理に素材が大切ならば、その素材をおいしくしてしまえばいいと!」
ふたご2
「わあぜんぜん裏切ってねえ。」
ふたご1
「ちっちっ、そこが凡百の人間の考え方です。どうせ素材をおいしくなるように手間暇かければ、おいしくなると思いやがっているのでしょう。」
ふたご2
「どういうことですか。」
ふたご1
「今回味の素が開発した植物用肥料『早根早起』には、なんとカツオブシや椎茸のうまみ成分である、イノシン酸が使われているのです!」
ふたご2
「いやそれはイノシン酸が肥料として使えるからじゃないんですか。」
ふたご1
「さすがは味の素…料理をおいしくしたいから、素材である植物に直接うまみを使うとは…。」
ふたご2
「そういう考え方ではないと思いますがたぶん。」
ふたご1
「ううむ…この発想、果たして他の肥料メーカーについてこれるか…。」
ふたご2
「そんな発想の元ならついて行かなくてもいいです。」
ふたご1
「10年後、どこの肥料が一番おいしいかで勝負だ!」
ふたご2
「肥料版料理対決マンガみたいなノリ」にならないでください。」
2月15日、そーだーつーぞー(ゴゴゴゴゴ)